新型並列ツインエンジンを搭載するFシリーズのロードモデルがついに登場。エンジンも車体もすべて刷新されただけでなく、新機種となるXRもラインナップ。スペインにてその走りを検証した。
写真:ビー・エム・ダブリュー/文:鈴木大五郎
スポーティさを増した普遍的スタンダードマシン
F900Rのスタイリング
新型エンジンを搭載した待望のFのRモデル登場
オーソドックスな並列2気筒のネイキッドマシンF800Rの生産終了後、このマシンの後継モデルはすぐには登場しなかった。
フルモデルチェンジされたエンジンが最初に搭載されたのは、基本的に同じエンジンを搭載していたGSのほう。1年遅れで登場するであろうことは想像の範疇であったが、排気量増など、アップデートされての搭載となったことにBMWモトラッドの気合を感じた。理由はシンプルで、激戦区となっているこのクラスで、少しでもアドバンテージを築くためという。一方、車体はGSとメインフレーム。そしてスイングアームを共通とした。以前はスチール製トラスフレームのGS、対してアルミフレームのRと違いがあった両車であるが、共通となるブリッジフレームと呼ばれるスチール製のモノを採用する。
発進してすぐに感じられるのが、F900Rそのエンジン特性がGSよりもスムーズだということ。力強く、トルキーながら、ガツガツとしたガサツさとは無縁のエンジンフィーリングで、いつの間にかスピードが出ているといった具合。それはBMW流の、剛性感ある車体の安心感からくるものでもあろう。GS(オフロードモデル)と共通というところのエクスキューズや違和感はまったくない。
安心感を享受しつつペースを上げていくと、このエンジンに新たなキャラクターが備わっているのを感じられる。フラットながら、高回転域まで力強く伸びきっていく感覚は従来モデルにはなかったもの。シフトタッチも滑らかになり、リニアさの増したエンジンはより使いきりやすくなった。もちろん、これは進化した足まわりの功績。そして重量バランスの最適化も大きいかもしれない。シャープさ、そして旋回性を増したハンドリングではあるが、そこに不安感を与えない味付けがなされている。
ビギナーからベテランまで、多くのライダーに支持されるスタンダードなマシンといった印象は変わらないまま、よりスポーティとなったR。ちょうどいいを具現化したマシンとなっている。
F900R/F900XRの共通ディテール
F900Rの足つき&乗車ポジション
F900Rのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,140×815×1,135mm
- 軸間距離
- 1,520mm
- シート高
- 815mm
- 車両重量
- 215kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・894cm3
- 最高出力
- 77kW(104.7ps)/8,500rpm
- 最大トルク
- 92N・m(9.38kgf・m)/6,500rpm
- タンク容量
- 13L
- 燃費(WMTC)
- 23.8km/L
- タイヤサイズ
- F=120/70-17・R=180/55-17
- 価格(税10%込)
- 105万7,000円(ベース)、127万6,000円(スタンダード)、133万3,000円(プレミアムライン)
- COLOR VARIATION
- ホッケンハイムシルバーメタリック×レーシングレッド・サンマリノブルーメタリック・ブラックストームメタリック
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※記事の内容はNo.215(2020年2月22日)発売当時のものになります