アドベンチャーツアラーの多くは大型二輪免許がなければ乗れなかったが、ついに普通二輪免許、しかも車検なしの軽二輪クラスにカワサキがヴェルシス-X250&ツアラーを送り込んだ! 新たなムーブメントを巻き起こす、火付け役となるのか?
文:吉田 朋/写真:関野 温
もっと遠くまで行ってみよう!と思わせる快適性と走行性能
“これなら乗れる!”とビビらずに向き合える
足は短いものの身長171cmある僕(よっすぃ〜)は、大抵のバイクに臆することなく乗れる。そのため女性ライダーをはじめとする身長の低いライダーが足つきに苦労しながらバイクに乗っている姿を見ると“大変だな”と長年思っていた。ところがここ数年、
“立ちゴケするんじゃないか…”とビビる機会が増えている。そこで初めて身長の低いライダーの気持ちを実感することになった。それもある特定のカテゴリーのマシンに乗るときだ。
それがアドベンチャーツアラーだ。高速巡航とオフロード走行と、相反する要素を高次元でバランスさせた、このカテゴリーのマシンを選ぶライダーが増えている。かつてはヨーロッパ系メーカーのお家芸といったイメージもあったが、最近では国内4メーカーも力を注ぐカテゴリーだ。ただその多くは1000ccを超えるエンジンを搭載し、車格がデカくて重く、そしてシートが高い…。仕事柄、広報車に乗る機会が多いが、正直躊躇することも…。
これまでアドベンチャーツアラーに乗るならば、大型二輪免許を取得するのが一般的だった。普通二輪免許で乗れるのはホンダ・400Xくらいしかなかったから。ところが2017年になってから、軽二輪クラスにもアドベンチャーツアラーが増加してきた。ホンダ・CRF250ラリーに加え、ここで紹介するカワサキ・ヴェルシス‐X250シリーズやスズキ・Vストローム250などなど。まずはこの軽二輪クラスでアドベンチャーツアラーに慣れ、大排気量車にステップアップする。こういった流れになれば、もっとこのカテゴリーが盛り上がるかもしれない。
それではヴェルシス‐X250の乗り味などについて触れていこう。まず大型スクリーンやフロントカウルを採用しているため、軽二輪クラスにしては大柄だ。しかしリッタークラスのアドベンチャーツアラーと比べれば威圧感は少ない。サイドスタンドを出した状態でまたがってみる。パニアケースのある『ツアラー』は足が当たらないように意識的に足を動かさなければならないが、無印は普通の感覚で乗車できる。リッタークラスのなかには足がつるくらい高く振り上げなければ、テールカウルにキックを入れてしまうこともあるのだ。そして足つきも片足ならベッタリ着くし、両足でも土踏まずより前が着くので、車体を起こしてサイドスタンドを払うことができる。またサイドスタンドを払って乗車しても、車体を支えやすい重量なので僕よりも身長の低いライダーでもさほど不安を感じにくいだろう。“立ちゴケするかも…”という不安がほとんどないのは、大型車にはないアドバンテージと言っていいだろう。
CONTACT
- 問い合わせ先
- カワサキモータース ジャパンお客様相談室
- 電話番号
- 0120-400819
- URL
- https://www.kawasaki-motors.com/mc/
※記事の内容はNo.182(2017年5月24日)発売当時のものになります