排ガス規制の関係で、ラインナップからアメリカン系のマシンが次々姿を消す昨今。ホンダから、アメリカンスタイルのブランニューモデルのレブルが登場。しかもこれが、見た目の予想を裏切る軽快な走りで、思わずニンマリしてしまうマシンだったのだ。
文:谷田貝洋暁/写真:関野 温
誰もが気軽に楽しめるちょうどいいサイズ感
レブル500のスタイリング
レブル250のスタイリング
カスタムしても楽しい扱いやすいアメリカン
ありのままを書こう。初めてこのモデルの画像を見たとき、正直ピンとこなかった。アメリカンスタイルなのに、飾りっけもへったくれもない水冷エンジンを搭載。あぁ、CRF250L系と400X(海外のCB500X)系がベースか…、こんな感じ。
ただ、これはあくまで“画像”のみのファーストインプレッション。後日行なわれた試乗会で実車を前にすれば、シンプルながらも、考え抜かれたデザインに気付くことになったのだ。
まずヘッドライト。取り付けステーがアンダーブラケットから伸びるという凝った造形を採用しているのだ。
「おおっ?」と思って見ていると、「あえてその位置に固定することにしたんですよ。それに実はメーターもごっそり取れちゃったりして、カスタムしやすい工夫をしているんです」と、電装まわりの開発者が声をかけてきた。
詳しい話を聞けば、カスタムの自由度を極力制限しないよう、いろいろなことが考えられているそう。たとえば、タンデムシートやタンデムステップなどを簡単に取り外せる工夫。またライダーシートより後ろのリヤフェンダーまわりのパーツをボルトだけでごっそり取り外してしまうことも可能なのだ。
タイヤチョイスひとつとっても、すでに多くの製品が売られているサイズを採用。まぁ、ぶっちゃけてしまえばハーレー用に発売されているタイヤがそのまま使えるということなのだが、ここまでカスタムをキチンと意識したモデルも今どきめずらしい。
そこで思い出したのが、東京モーターサイクルショーのブースで展示されていたカスタムコンセプトモデル(次項参照)。あのフルカスタム車のようなマシン、実は切った貼ったの特別な加工はいっさいナシ。基本的に“取り外し”と“交換”だけでこのスタイルが作れてしまうというからビックリである。
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※記事の内容はNo.182(2017年5月24日)発売当時のものになります