YAMAHA YZF-R15 & SUZUKI GSX-R150

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あなどってごめん!その実力に驚かされる

R15にまたがって面食らってしまった。150㏄ってこういうサイズ感だっけ…? 記憶の中での150㏄といえば、またがってすぐに250㏄とは違う、細い車体を感じたものだ。調べてみると車体サイズも大きくなっている。全長1990×全幅725×全高1135㎜。R25が全長2090×全幅720×全高1135㎜であるから、全長だけが少し短く、横幅にいたってはわずかだがR15のほうが長い。ある意味では、またがったときにチープに感じてしまう感覚がR15にはないのだ。

 

そして驚くのがシート高。R25の780㎜に対して815㎜だ。極端に高くなっている。セパレートハンドルの採用によって前傾姿勢となり、見た目で尖ったと感じたのはスタイリングだけではなかった。R25が〝毎日乗れるスーパースポーツ”で親しみをアピールしているのに対し、こちらはスポーツ志向の強いライダーにグッとくるパッケージングだ。

 

走り始めてもその気持ちの高ぶりはおさまらない。低回転域からしっかりとトルクがあり、力強く走る。何ら不満が浮かばないどころか、あなどってごめん!と謝りたくなった。

 

150㏄のメリットは、125㏄では走行不可の高速道路に乗ることができ、250㏄よりも軽量コンパクトという点だ。そのメリットが本当かを確かめるため高速道路に向かう。これも十分に満足いくものだった。もちろんR25の約半分となるパワーのため余裕があるわけではないし、車線変更で加速するにはギヤを落とさなければいけない。ただ100㎞/h+αの速度が安定して出せるから、市街地では言うに及ばず車線をリードできる。

 

兄貴分よりとんがった走りでスポーツライドを堪能できる!

 

一方、GSXに乗り替えるとそのコンパクトさが際立つように感じる。R15よりもスリムなせいかUターンがしやすい。数値上では大差がない気がするが、250㏄と125㏄を取りまわしているくらいの違いを感じる。そして131㎏という軽量さも相まって軽快感、コーナリング時のクイック感が抜群。タイヤはどちらも前後17インチだが、前後タイヤの幅が10㎜太いR15の方がグリップしやすく、コーナリングに安定感は出るかもしれない。

 

もっともそれも小さい差で、GSXの軽快性は150㏄の利点に合致するものだと感じる。R15よりもショートストロークのエンジンはレスポンスが鋭く、市街地でも高速道路でも十分と思えるパワーを発揮してくれた。こちらもセパレートハンドルで前傾し、スポーツ走行が楽しい仕上がりだ。

 

クイックな走りが楽しい軽快ロードスポーツ!

 

スポーツライディングを積極的に楽しみたい人はR15、気軽にスポーツバイクと付き合いたい人はGSXといったところだろうか。いずれにせよ125より趣味性が高く、250よりも軽量コンパクトな150は注目のクラスになっていくのではと思う。

 

今年導入された150㏄のスズキ・ジクサーは一つの答えを示すようにヒットを飛ばしている。このモデルはもともとインドで製造販売され人気モデルとなっていた。今後も150㏄が脚光を集めることで、グローバルモデルであるR15とGSXもいずれ国内に導入されるかもしれない。250㏄フルカウル全盛のなか難しさはあるかもしれないが、それらとは異なる個性と強みを持ったこの2台なら差別化できるのでは…。そう考えてしまうほど満足感を得られる試乗だった。

 

両車のディテールを紹介!

※記事の内容はNo.184(2017年7月24日)発売当時のものになります

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