FANTIC CABALLERO SCRAMBLER 250

車両インプレ・解説

レディスバイク特選バイク＆アイテム 2021

海外メーカー, FANTIC, 126㏄〜400㏄

高い走行性能と軽快さによってシーンを選ばず楽しめる

本格的なオフロードモデルを得意とするメーカーが手がけたスクランブラーモデル。中～大排気量モデルとは異なるアプローチは、バイクを自在に扱いながら街中からワインディング、そしてオフロードまで走る楽しさをライダーに教えてくれることでしょう。

FANTIC広報さんのオススメポイント

飽きのこない美しいスタイル！サイドカバーのキャラクターラインやボリューム感を出したタンク、美しいペイントなど、乗らずに見ているだけでも飽きのこない美しさ。
バランスのいいシャーシと気持ちよく走るエンジン！オフロードをものともしないしなやかさと、サーキットでさえ不安なく駆け抜ける、ポイントを抑えた高い剛性バランスの車体。
排気量や車格でマウントを取らせない！唯一無二のスタイルと作り込み！ 250㏄とは思えない仕上げと作り込みはお値段以上。スクランブラーがほしかったらキャバレロを選ぶ、その理由が詰まっています！

CABALLERO SCRAMBLER 250のスタイリング

走り重視の作りながらルックスでも見せます

1968年にイタリアで創業し、これまでにモトクロスやトライアルのレースで輝かしい結果を残したこともあるファンティック。残念ながらこれまでに安定した事業運営ができていなかったこともあって、日本国内では一部のマニアックな人たちのみが知るメーカーでした。とはいえ、最近ではヤマハ製品の欧州での販売を担っているヤマハモーターヨーロッパが、二輪車エンジンの製造を行なうグループ会社モトーリ・ミナレリを、業務提携するファンティックへ譲渡したというニュースが飛び込んでくるなど、安定していることがうかがえます。そんな知る人ぞ知るメーカーが、2年ほど前にラインナップに加えたのが、キャバレロブランドのスクランブラーです。

近年、ネオクラシカルなスクランブラーモデルへの注目度が高まっていて、数社がラインナップに加えていますが、通常のスクランブラーモデルは、オンロードモデルをベースにオフロードも走りやすいように手を加えた車両になります。対してファンティックのスクランブラーは、オフロードモデルを得意とするメーカーが作っただけあって、随所にオフロードモデルがベースになっていることを感じさせてくれます。

まずエンジンですが、競技用のモトクロッサーにも使用されているモノをベースに、スクランブラーモデルへの適正化が図られたモノが搭載されています。タンク上面からシート後端までがほぼフラットなのも、ライダーが前後に積極的に動いて車体をコントロールできるように作られているオフロードモデルの流れを感じさせます。また、正確な数値が発表されていないので比較はできませんが、実車を見る限り最低地上高が高めに設定されていますし、車重も同排気量の一般的なオンロードモデルと比べるとかなり軽いのです。さらに、車体真横から見た際のエンジンまわりのスカスカな感じなんかは、まさにオフロードモデルといった雰囲気なのです。これら車体の作り込みから、ファンティックのスクランブラーは、“オフロードも走れる”のではなく、“オフロードを積極的に楽しめる”モデルだということがわかります。

とはいえオフロードの実用性のみを追い求めているのではなく、ステップホルダーにアルミ削り出しの無骨なデザインのモノを採用していたり、エキゾーストパイプのカバーがカーボンだったり、さらにはフロントフェンダーがステーを含めてこった作りになっていたりと、こだわりを感じる作りになっているのです。このような細かなところへの配慮が、所有する喜びを感じさせてくれる部分であり、そのあたりの抜かりのなさは、さすがイタリアのメーカーだと感じさせてくれます。