車両メーカーがバイクレディにオススメするモデルをセレクト。この春からバイクライフをスタートさせるライダーはもちろん、より充実を図ろうと思っている人も参考になること間違いなしです!
わたしでも乗れるスポーティなクルーザー
2017年に250と500が発売されて以来人気を集め、現在も販売台数を伸ばし続けているレブルシリーズ。そこに新たに1100が加わりました。兄弟モデルとの違いや、1100のみに用意されたDCTモデルについて紹介します。
HONDA広報さんのオススメポイント
- シンプル&クールなイメージのロー&ロングスタイリング。軽量かつ低重心で取りまわししやすい車体に、排気量相応の重厚感と、それを引き立てるカラーリングです。
- くびれを持たせた形状のナロースタイル。Rebelシリーズ共通の特徴である安心感のある足つき性。乗車時のプロポーションは美しさだけでなく操作性へも寄与します。
- 力強いトラクション性能とパルス感。高回転域までスムーズに吹け上がるエンジン特性。クルーザーカテゴリーながら、スポーティな走行も楽しめます。
REBEL1100のスタイリング
同じように扱いやすい兄弟、ソックリだけど中身は別物
最近、街中でよく見かけるバイクにレブルがあります。クルーザー系のスタイルなんだけど、その中でもすごくシンプルなデザインでスリム。軽やかに走っているのと、女性が乗っていることも多いから、とくに目にとまるのかもしれないな。レブルの250と500が最初に発売されたのは2017年のこと。わたしは2018年に本誌で250に試乗しました。見た目はクルーザーなのに、スポーツネイキッドのようにキビキビ走り、女性でも扱いやすい車格だという印象が残っています。実際のところ、レブル…とくに250は若い女性にも人気なようす。途中モデルチェンジもありましたが、最初の発売から4年ほど経った現在も、どんどん販売台数を伸ばしているそうです。
そんなレブル兄弟に新しく1100モデルが登場しました。兄弟とはいっても、250と500がエンジン以外ほぼ共通なのに対して、レブル1100はフレームやエンジン、外装パーツなどほとんどすべてが別モノです。エンジンはCRF1100Lアフリカツインに搭載されているユニカム方式のOHC並列2気筒を、さらに低中速域でトルクフルになるように再チューニングしたモノ。フレームも、そんな力強いエンジンを支え、クルーザースタイルの車体にマッチングさせるためオリジナルになっています。外観は似ているけれど、一部のランプ類以外、ほかの兄弟からの流用なんてしていないようす。気合が入ってるなって感じ。そうしてでき上がったのが、兄弟よりも少しだけ大きくパワフルになったこのレブル1100です。
“大きい”とはいっても、ほかの1000cc前後のライバル(?)クルーザーに比べれば、ずっとスリムで軽量。クルーザーっていうと、ルックスからもうヘビーでファットで、前後にも長いほうがカッコいいといわれるでしょ。そんな中で見ると、このレブルはちょっと異なるかもしれないな。女性がクルーザーに乗りたいと思った時、けっこう高いハードルになるのが“長さ”。とくにステップの位置は、足を前に投げ出すようなスタイルのモノが主流。小柄な女性だとシフトチェンジができない、なんてモデルもあるでしょう。そのあたりこのレブルのステップ位置は、ふんぞり返るようなクルーザーと一般的なネイキッドバイクとの間くらい。小柄な女性ではシフトチェンジができない、なんてことはまずないといっていいと思う。 じつはこのレブル1100は、250&500の兄弟と全長が3.5cm、ホイールベースで3cmしか違わないのです。車重こそそれなりに重くはなるけれど、重心やシート高が低いから、足つきは良好だし取りまわしはラクチン。ハンドルがやや遠めだから、とっても小柄な人だとフルロックするとアウト側のグリップが遠く感じるかもしれないけど、普通には届く感じ。車格が250や500とそれほど変わらなくて、扱いやすいリッター超えのクルーザーだなんて、体格的に大排気量車をあきらめていた人も気になるでしょう。
“クルーザー”って何度も繰り返しているけれど、実際に走らせてみると、鈍重なイメージのクルーザーとはかなり違います。キビキビ走る、ふつうのネイキッドです。
細い道の交差点はすんなり曲がるし、高速ワインディングでの切り返しもヒラヒラと軽い。ついでにUターンもラクラク。これは250もそうで、それこそ近所へのちょっとした買い物にも使えるような気楽さがあって、休日のツーリングも満足に楽しめる。ゆったりポジションなのに、ただ流すだけではなく、峠に入ってスポーティな走りも楽しめちゃう。いい意味で見た目を裏切るバイクなのです。
スムーズ変速DCTでご機嫌ツーリング
ラクチンだけど楽しい機能、安心で安全で快適な走りを
今回試乗したのはデュアルクラッチトランスミッション(DCT)モデル。自動変速システムのことで、クラッチレバーやシフトペダルがありません。レブル兄弟で用意されているのは1100だけで、大型二輪AT限定でも乗れます。“スタンダード”“レイン”“スポーツ”“ユーザー”と走行モードがあって、それぞれでパワー、トルク、エンジンブレーキといったエンジン特性のレベルが変わります。ユーザーモードは好みで設定を変えることができます。まずスタンダードモードでのんびり加速すると、わりとすぐ、2000rpmくらいでどんどんシフトアップしていきます。すごくなめらかで、シフト切り替え時の衝撃はないに等しい感じ。ただ、シフトアップのタイミングが個人的にはちょっと早いなって感じがするなあ。すごくエコな走りをしている気はするけど(笑)。走行中でも手元のスイッチでモードの切り替えが行なえるので、スポーツモードに切り替えてみました。そしてスロットルを開けてみると…、なかなか激しい加速! 大排気量車に慣れているわたしでも、ちょっとビックリするくらいドカン!ときます。試乗したカメラマンは、スポーツモードで発進したパワーに圧倒されたそうです。さすがリッターバイク。扱いやすいとは言ったって、250とは比較にならないほどのパワーを持っています。交通量の多い市街地をスポーツモードで走行すると、状況によってはシフトチェンジのタイミングが合わなくて、ちょっとギクシャクしてしまう場面もありました。ただ、各走行モードで走っていても、プラス/マイナスシフトスイッチでシフトチェンジができるから、エンジンブレーキがほしい時とか、必要に応じて使ってみるといいかも。逆にレインモードだとすべてが控えめでやさしくなります。すべりやすい路面で少しでも安心して走れるようにというモードだけど、リッターバイクが初めてという人は、このモードからスタートしたほうがビックリしないかもね。
キビキビ走るスポーツネイキッドみたいな一面もレブルの魅力だけれど、クルーザー的なスタイルに見合った走り方も得意です。機能面でまず挙げたいのは、高速道路を走行する際に便利なクルーズコントロール機能が付いていること。セットやリセット(リセットボタンを押せば解除する直前に設定した速度に再びセットされる)、速度の微調整も右ハンドルスイッチボックスのボタンで簡単に行なえます。そして、ATらしくキックダウンも可能。スロットルを一気に大きく開ければ、シフトダウンして力強い加速をしてくれるのです。
普段クラッチ付きのバイクばかり乗っているので、停止直前にエンブレが勝手にスッとなくなる感触とか、そんな独特の感触があったけど、それはすぐに慣れました。慣れると逆に、スムーズですばやいギヤの切り替えがすごく気持ちいいと感じます。さらには、ただシフトチェンジを自分でしないぶんラクなだけではなく、ちゃんと走りが楽しいって素直に思えちゃうところが不思議で素敵。プライスが控えめなところも魅力の一つでしょう。
気楽に乗れるクルーザーがほしい人、そこそこスポーティーに走りたいけど、あまり尖ったバイクはちょっとなぁ…という人、リッターバイクに乗りたいけど体格的にムリだなぁと思っていた人、レブル兄弟からステップアップしたい人…、などなど、いろんな人に合いそう。落ち着いたスタイルだから、老若男女問わず、長く楽しめるバイクだと思うな。
REBEL1100のディテール
REBEL1100の足つき&乗車ポジション
COLOR VARIATION
REBEL1100のスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,240×850[830]×1,115mm
- 軸間距離
- 1,520mm
- シート高
- 700mm
- 車両重量
- 223[233]kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒・1,082cm3
- 最高出力
- 64kW(87㎰)/7,000rpm
- 最大トルク
- 98N・m(10.0kgf・m)/4,750rpm
- 燃料タンク容量
- 13L
- 燃費
- 18.7km/L
- タイヤサイズ
- F=130/70-18・R=180/65-16
- 価格
- 110万円[121万円] ※[ ]内はDCT
CONTACT
- 問い合わせ先
- Hondaお客様相談センター
- 電話番号
- 0120-086819
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- https://www.honda.co.jp/motor/