ヤマハの4ストロークモトクロッサーの最高峰モデル・YZ450Fがフルモデルチェンジ! え? そんな競技用モデルを一般ライダーが乗れるのかって? それがセル付きになったり、いろいろ敷居が下がっているようなんです!
文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐
パワーアップをはかり、しかも乗りやすくなった!
一部の玄人でなくても楽しめそうな18モデル
いやぁ、スゴいね。競技用モトクロッサーの最高峰モデルにセルスターターが付いちゃったよ! 通常、競技用モデルとは、とにかく早く走るためにとにかく軽くするのがセオリー。ましてやモトクロスレース用のマシンといったら、セルスタートのためのバッテリーやモーターなんていう重たいパーツを付けるなんてことはコレまで、絶対にありえないことだった。
それが、一般的な鉛バッテリーの1/3くらいの重さしかないリチウムバッテリーの技術が確立したことで、モトクロッサーといえどセルスターターを装備するモデルが増えてきているのが現在のモトクロス事情だ。
実際、セルスターターは便利である。ただでさえシートが高く、力を入れにくいキックスタートのハードルは高い。凹凸のあるコースで転倒すると、キックで苦労するなんてことも多かったものだ。それが18モデルからYZ450Fにセルスターターが標準装備。指一本でリスタートできるのだから、オフビギナーや、ボクのようなへたの横好きライダーにはうれしいかぎりである。
また車体も走ってみるとかなりコンパクトなった印象を受けた。車格自体はほぼ変わっていないのだが、エンジンシリンダーヘッドの後傾角を見直し、重量配分を最適化。フロントにより荷重がかかりやすく、曲がりやすい車体に設計しなおしたという。
これがかなり扱いやすい。17モデルのYZ450Fはコーナリングで車体が大きく、そしてフレームの剛性も高いせいか、大柄に感じて持て余す印象が強かったのだが、新型は「あれ? YZ450Fってこんなに乗りやすかったっけ?」と思うほどコンパクトに感じた。とくに今回の試乗会場のようなヌタヌタのマディ路面ではその恩恵が顕著に出る。車速をあげられなければ、当然フロントフォークにも荷重がかかりにくいし、フレームもしならないからマシンは曲がりにくくなる。そんな状況でも18モデルは意外なほどすなおに旋回してくれたのだ。
まぁ、たしかにオフロードバイクにまったく乗ったことがないようなライダーが乗るマシンではないけど、ここまで敷居を下げてくれれば、コース走行を経験済みで、これからモトクロスをちゃんと始めてみたいというライダーなら、時間をかければなんとか乗りこなせるようになるんじゃないかな? 少なくともキック始動ができなくて、もがき続けなくて済むのはエントリーユーザーにとってうれしいことだ。
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※記事の内容はNo.186(2017年9月23日)発売当時のものになります