しばらくアンダー400モデルがラインナップから外れていたロイヤルエンフィールドから、待望の349ccモデルメテオ350が登場となる。正確な発売時期はまだ決まっていないが、一足早くインプレッションをお届けしよう。
写真・文:岩崎 雅考
気負うことなく乗れるフレンドリーさが魅力
ROYAL ENFIELD METEOR350のスタイリング
幅広いシーンで活躍すること間違いなし
ホンダのレブル250がセールス的に快進撃を続けている。その理由を細かくピックアップすればきりがないけれど、中でも“気負わず乗れる”というのは大きなポイントになっていると思う。実のところ走らせてみれば、楽に乗れることがわかる車両は多いけれど、見た目的には“ちょっと気合入れないと…”と感じさせられる車両だったりするのだ。そして、今回のロイヤルエンフィールド・メテオ350。この車両からはレブル250と同じような“気負うことなく乗れますよ”という雰囲気がただよっている。そう“ちょっとした人気者になるんじゃないの?”という予感がするのだ。
外観はカテゴライズすればクルーザータイプ。とはいえ近年のモデルというより、80年代前半に国産メーカーが発売していたモデルの雰囲気があって、これがまたいい味となっている。気負いを感じさせない=お手軽というわけではなく、車体が放つ質感はなかなかのものだ。クラスを超えた存在感があるといっても過言ではない。
空冷の単気筒エンジンは、目覚めさせれば単気筒エンジンらしい鼓動があるんだけれど、そこを変に強調しているわけでもなく、低回転から高回転域まで心地よく響いてくる。とくにトルクフルというわけでもないけれど、かといって物足りなさを感じるわけでもない。スロットルの開け具合に合わせて、エンジンの回転数、さらにパワーもスムーズに上下するのでとても扱いやすい。一般道から高速道路まで、普通に走るぶんには扱いやすいパワーユニットといえる。ただし、最高速的には高速道路の120km/h区間は追越車線に出ない方がいいだろう。
シャーシはこれまたエンジンと同様にいい塩梅なのだ。路面の不快になるような凹凸はほぼ吸収し、かといって路面からの情報が伝わってこないということもない。コーナーで車体を傾けるときにクイックすぎることもなく、かといってもたつく印象もなく、ライダーの入力に対してニュートラルな反応をみせてくれる。左右に切り返すときも安定感があるなと思うくらいで、もたつくという印象はない。さらに意外だったのが、最低地上高がしっかりと確保されていることもあって、バンク角がそこそこ確保されていて、思った以上に車体を倒せるので、それなりにスポーティな走りを楽しめるのだ。
ただしブレーキに関しては、スポーツモデルのようにフロントメインで考えると、頼りないと感じてしまうだろう。そう、そのあたりはクルーザーなので、リヤをしっかり使うことで必要十分な制動力を得られる。効き具合も調整しやすいので、この点でも扱いやすいバイクといえるのだ。
このように、いい意味で突出したところがないバランスのいい乗り味に加えて、足つきがいいことで気負わずに乗ることができる。また、90年代の国産クルーザーブームでもてはやされたような、ロー・アンド・ロング路線とは異なる、ちょうどいいサイズ感の車体によって、入り組んだ細い道が張りめぐらされた古い街なんかにも、ズンズンと入っていけるだろう。また、コンパクトなバックレストと一体化しているガッシリとしたグラブバーによって、大きなシートバッグを積むことができ、キャンプツーリングの相棒としても活躍してくれるはずだ。そう、街中の足から連泊するようなロングツーリングまで、幅広い用途に対応できる間口の広さと、レトロ感を持ち合わせるあきのこないルックスは、多くのライダーの心をわしづかみする気がして仕方がないのだ。
ROYAL ENFIELD METEOR350のディテール
ROYAL ENFIELD METEOR350の足つき&乗車ポジション
ROYAL ENFIELD METEOR350のスペック
- 全長×全幅×全高
- 2140×845×1140mm
- 軸間距離
- 1,400mm
- シート高
- 765mm
- 車両重量
- 191kg
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストロークOHC単気筒・349cm³
- 最高出力
- 15.1kW(20.5㎰)/6,100rpm
- 最大トルク
- 27N・m(2.7kgf・m)/4,000rpm
- 燃料タンク容量
- 15L
- 燃費(WMTC)
- -㎞/L
- タイヤサイズ
- F=100/90-19・R=140/70-17
- 価格
- 59万6,200円(ファイアボール)、60万8,300円(ステラ)、62万2,600円(スーパーノヴァ)
ROYAL ENFIELD METEOR350 製品ページ(英語)
CONTACT
- 問い合わせ先
- ピーシーアイ
- URL
- http://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp
※記事の内容はNo.234(2021年9月24日)発売当時のものになります
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