HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER S

HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER S(2022年モデル)

クルーザーの元祖、ハーレーダビッドソンから新たなモデルが登場。排気量は1,923㏄、全長は2.3mを越え、車重は300㎏オーバーと、まさにキングサイズ。そのフィーリングをお伝えしよう!

文:横田和彦/写真:関野 温

図太いトルクによる怒涛の加速を体感!

 

HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER Sのスタイリング

重量感に満ちた車体を力強く走らせる快感!

近年、ハーレーダビッドソンは変化している。2020年末に電気スポーツバイク・ライブワイヤーを発表して注目を浴び、2021年には新世代の水冷Vツインエンジン・レボリューションマックスを発表。ハーレー初のアドベンチャーツアラー・パンアメリカ1250やスポーツスターSに搭載して、これまでのハーレーにはなかったモデルとしてラインナップ。まさに革新の年だったのである。

 

とはいうものの、いまだにハーレーの主力が伝統の空冷Vツインエンジンを搭載したクルーザーや、グランド・アメリカン・ツーリングであることには間違いない。そしてそちらも確実に進化を続けている。

 

クルーザーの中でも一風変わったシルエットを持つのがローライダーSだ。19インチのフロントホイールや高めにセットされたビキニカウル、ソロシート、低く伸びたブラックマフラーなどにより、硬派なカスタム車のようなイメージに仕上がっている。2022年モデルでは排気量を1923㏄まで高め、ヘビーブリーザータイプのエアクリーナーを標準装備してトルクアップを達成。また視線の移動が最小限ですむよう、メーターの位置もタンク上からアッパーブラケット上に移動。サスペンションの変更などによりバンク角を増やすなど、ユーザーの声をもとにした改良が加えられている。

 

低く長い車体に近付くと、あらためてミルウォーキーエイト117と呼ばれるエンジンの大きさに驚く。1気筒あたり約961㏄(!)だ。仕事柄、多くのバイクに乗るが、これだけ排気量が大きいバイクは稀。シート高は低いので足つきに不安はないものの、車体を起こすときにはズッシリとした重さを感じる。

 

セルを押すと巨体を震わせながら目を覚ます。独特のリズムを刻むアイドリングの鼓動が“これぞハーレー!”と感じさせ、気持ちを盛り上げてくれる。そしてここからハーレーワールドがスタートする。少しアクセルを開けるだけで生み出される図太いトルクは、巨体を軽々と押し出す。アクセルを大きく開けたときのリヤタイヤの蹴り出し感は強烈。そのときの加速力はかなりのもので、思わずハンドルにしがみついてしまうほど。強大なトルクで押し出し続けられる感覚は、他のバイクではまず味わえないであろう。

 

HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER S(2022年モデル)走行

 

意外だったのはハンドリングだ。重量車のわりに素直でコントロールしやすい。細身のフロント19インチタイヤがいい効果を生んでいるのだろうか。これなら峠道で全身を使い、巨体を振り回すようにしてコーナーを駆け抜けていく充実感が味わえる。そのときハーレーが鈍重だと思い込んでいるライダーを驚かせることもできるはずだ。

 

そして一番心地いいのは低〜中回転域で生み出される鼓動を感じながらのクルージングであろう。1500rpmも回っていれば普通に走るので、早めにシフトアップしてビッグ・ツインエンジンが生み出す世界にどっぷり浸ることをオススメしたい。

 

なお2022年モデルとして登場するのはローライダーSだけではない。フレームマウントのカウルが付いたSTなどもデビューする。それらは各地で行なわれるモーターサイクルショーで展示されるという。またディーラー店頭でも最新モデルフェアが行なわれるとのことなので、ぜひ最新のハーレーに触れてもらいたい。

次ページ:HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER Sのディテールと足つきをチェック!

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問い合わせ先
ハーレーダビッドソンジャパン カスタマーサービス
電話番号
0800-080-8080
URL
https://www.harley-davidson.com/jp/ja/

※記事の内容はNo.240(2022年3月24日)発売当時のものになります

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