最近、自分がチョットしたことに過剰に反応しているような気がしてならない。以前だったら絶対に反応しないような、テレビ番組や映画に感動して涙を流していたり…。食事に出てきた菜の花のおひたしに“うーん、春の香りがする”みたいな。はたまた、都会から離れた田舎の景色や古きよき時代の建物なんかにも、以前には感じなかった感情が湧きあがってきているのだ。これまで経験を積めば、感動することが減ると思っていただけに新鮮でならない。というか、過去の記憶が感動に結びついているようなのだ。たとえば、映画やドラマのたぐいに反応するのは、過去に自分がとった行動を思い起こして、反応していることが多い。自分が似たようなシチュエーションになったときを思い起こして、“なぜあのときあんなことをしてしまったのだろうか? 相手の気持ちを考えれば、こうするべきだったのでは…。しかし、この主人公すごいな、この若さでここまでできるんだ…”なんて、ことを頭で考えつつ、ふとホホを流れ落ちる冷たいものに気付いて、“あれれ、泣いちゃってるよ”みたいな感じなのだ。建物にしても、これまで見てきたいろいろな建物のことや、建てた人がどんなことを考えてそのカタチ、構造にしたのかを想像して、こんな古い時代にそこまで考えられていたのか、すごいなぁ〜となるわけ。
「えっ、その歳にしてやっとそのことに気付いたの? ちょっとヤバくないですか?」と思うかもしれないが、まっ、気付けただけよしとしてくださいな。しかし、逆にそういった感情が出てきたことで、なんとかこの感動を人に伝えられないものかと考えるようにもなっている。いやはや、人生なかなかゆっくりとはできそうにないな〜。まっ、それがおもしろいんだけどね。