ヤス子の付き合いで(タンデムスタイル姉妹誌・スクーターデイズの企画、5月20日発売です!)、釣りの取材に同行した。行き先は、横浜ベイブリッジにほど近い大黒ふ頭。僕は撮影担当。しかも、出発まで釣りの取材とは知らされずにいたような数合わせ的な人員だけど、現場には、釣り具メーカーであるダイワの広報さんもいて、なりゆきで竿を出すことになった。
川の釣りなら多少心得はある僕だけど、海釣りはからっきして、どうにも勝手がわからない。というのも川ならなんとなく魚のいそうな場所は水の流れで予想できるし、実際それで釣れたりするモノなのだが、だだっ広い海は正直どこに魚がいるのかわからないのがなんとなくニガテなのだ。とまぁ、それはさておき竿を出したのだが「是が非でも釣りたい!」という確固たる信念があるわけではないのでやはり釣れない(笑)。周りを見てもそれほど魚があがっていないので、そういうものなのだろうが、久しぶりに触る青イソメの感触が妙に懐かしい。話を聞くに、どうやら南風の影響で水温が低くて、釣りには向かない日和らしい。
そこで今度はジグを使ってコウイカを狙ってみようということになった。東京湾にコウイカがいるということを今回初めて知ったが、なるほど周りを見ると、地面がイカスミで汚れていたりしてけっこう釣れるらしい。相変わらず釣れる気はまったくしなかったのだが、ダイワの広報さんに教わったとおり、疑似餌を投げて、糸を巻き取っていると、突然竿が重くなった。最初は根がかりかと思ったが、それにしてはちゃんとリールで糸が巻き取れる。うーん、何だろうなと思って巻いていると、疑似餌に巻き付いたコウイカが見えた。
釣ったというよりは、釣らせてもらったとか、釣れていたという感じ。どうせなら、企画のメインキャラであるヤス子の方にかかってくれればいいのに…とも思ったが釣れてしまったものはしょうがない。こんな怠惰な姿勢の男に釣られるコウイカもかわいそうだが、それでも久しぶりに竿がしなった瞬間は心躍ったし、自分で何か釣り上げるのは楽しいモノだ。
この日の釣果は、結局僕の釣ったコウイカ1杯。で、釣れた魚はやっぱり食べたいものである。ダイワの広報さんがさばいてくれ、編集部に帰ってわさび醤油で食べてみたのだがこれがうまい! 東京湾の海の幸ってこんなにうまいんだ、と本当に感心してしまった。まぁ、釣りたてだから鮮度は抜群だし、何より自分で釣った獲物だからね。うまくないわけはない。コリコリとしたコウイカの濃厚な味はやみつきになりそうだ。
「よし! 会社で釣り部を作る!」と息巻くヤス子。こんな僕が言っても説得力がないかもしれないが釣りってやっぱり楽しいよね。たまにはいいモンだ、と思った僕だった。