今年も残すところあと2ヶ月半だが、最近になってやっとこの秋晴れにふさわしい爽やかな気分というか、目の前に見通しのいい道がひらけた感じの近況である。というのは、プライベートで関わっているダンス発表会の衣装係の役割が今年は自分に回ってきて、もう怒濤のような日々だったのだが、それがようやく終止符を打とうとしているのである! ヤッタ〜(涙)!
ああ…ただでさえ仕事が山積みなのに、衣装に割く時間がどこにあろう、と嘆いたって、係は順番で回ってくるという恐ろしいルール。仕方なく、なけなしのプライベートタイムを余すとこなく使いまくり、おかげでロクに睡眠もとれなかったし、家の中はしっちゃかめっちゃか、どこかにのんびり出かけるなんて夢のまた夢、試作を何度も調整修正調整….。さらには仕事でもないのに容赦なく襲いかかる“タイトスケジュール”に“しめ切り地獄”…。イライラは最高潮に達し、ふと日常を放棄しそうになる自分をなんとか叱咤激励し、いつかは終わる、終わりはきっと来ると、ブツブツ念仏のように唱えながら涙で布地をぬらしつつ裁縫作業したものである…しみじみ。いったい何がそんなに大変だったのか、毎日追われるように過ごして来たから頭の中を整理がてら、順を追って振り返ってみようと思う。
まず曲が決まる。先生の振り付けが完成し、衣装のイメージを伝えられる。それをもとにデザインを数案出す。デザインは日ごろ仕事で慣れているのでいくらでもOK♪って感じ(この時点ではまだ楽しい作業)。再再再考くらいでおおまかなイメージは決まり、試作にとりかかる。お裁縫は嫌いじゃないけど基本を踏まえていないため、我流で突き進むことに。でもなんとかカタチになった。試作チェックの先生のダメ出しが底なし沼のように続く…これが細かいのなんのって…(このへんで雲行きが怪しくなったんだっけかな…)。軽く抵抗したが、自分一人だけでなく全員の衣装をきちんと完成させなければいけないという責任が衣装係にはあるからとあっさり却下。そこから先、先生とのやりとりで頬がゲッソリと(仕事でいうところの営業能力を問われる…汗)。そして、取ってと言われたかと思えばやっぱりつけてという、仕事でも当たり前によくあるアレがはじまります。実際に作って着てみないとわからないというのはわかるけど…しかも仕事のように画面上でクリック一つで消したりつけたり、過去データを引っ張りだして戻したり、というわけにもいかない。せっかく縫った糸を切り、やっぱりまた縫う…この切ない感じ。完全アナログの世界です(ふだん自分がいかにパソコンに楽させてもらっているかというのをしみじみ感じる)。ようやく試作のOKが出たら、こんどはサイズ対応がはじまる。幼児体型〜お姉さん体型まで、それぞれ型紙制作。もうこのへんは専門知識が必要なので、詳しい人に協力を要請。そして人数分を計算して布地を買う。作り方のレシピを作成。これをみんなに説明し、作ってもらうと、途中「うちの子はここがちょっと…」と不具合がいくつか出てくる。それを個別に対応(このへんでどこかの無人島にしばらくの間行きたくなってくる)。ようやくみんなが作り終え、衣装を着て踊ってチェック、細部を修正。頭部や腕足など、必要に応じて装飾小物をデザインする(このへんはもうみんな電池が切れかかっているので、とにかく舞台で派手に!を合い言葉に作業が進む)。そして、先日の最終衣装チェックで無事、OKが出た(涙、涙、涙!)。
喉元過ぎればこんなに涼しく爽やかな気分。毎年このマジックに引っかかっているんだよね(苦笑)。さて、来月には私の汗と涙の結晶の衣装を着て、子どもたちが舞台で元気に踊ってくれる予定だ。厳しい作業工程だけあって、子どもたちもうれしそうに衣装を着て練習しているし、まあ…今年の労は報われたかな。しかし、片手間でやるにはめちゃくちゃ厳しかったな〜(涙)。この経験を仕事に活かして(意外と活きてくるから不思議)、今日も仕事がんばるかな。