いろいろあった年だったからこそ…

気が付けばクリスマスムードが街をおおい始めている。久しぶりに通りがかった恵比寿ガーデンプレイスには、毎年恒例のバカラのシャンデリアが飾られていたし、街路樹もそれらしい電飾がほどこされていた。不思議なもので、街中が色づいてくると“なぜにクリスチャンでもないのにクリスマスに浮かれるのか”などと頭では考えつつ、心はウキウキしてきてしまう。

子どものころ、母親に「今年のプレゼントは○○がいい」と伝えると、25日の朝には枕元に頼んだものが間違いなく届いていて、“なんで間違えたモノが届くことがないんだろう”とか“いつ届けられたんだろう”と不思議に思ったものだ。ことの真相を確かめるべく毎年必死に寝ないように努力したけれど、結局自らの目で確かめられないままに、いつしかサンタクロースなんていないんだと思うようになっていた。

色恋沙汰に興味を持つようなると、クリスマスは“プレゼントが届く日”から“決戦の日”となっていた。ない知恵をしぼって彼女と楽しい時間をすごそうとあれこれ考えたものである。とにかく、24日を彼女とすごすことが大事だった。ただ、学生時代は25日の夜に開かれていた“独り者の会”が楽しみでもあった。名前のとおり相手がいない者たちが集う会で、どことなく自虐性のある変なテンションがおもしろかったのだ。といった具合に、どんな状況にあっても、そのときなりに楽しい1日だった。きっと同じように感じている人は少なくないだろう。

今年は日本にとって、東日本大震災をはじめ、さまざまなことが起きた年として記憶に残ることは間違いない。そんななかでもちょっと気が早いんじゃと思われるかもしれないけれど、クリスマスが誰にとっても楽しい1日であることを願いたい。

タロー

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タロー

自転車にはじまり、バイク・車と自分で運転できるモノに乗っているだけで喜びを感じてしまうアラフォー。初めてラジオで聴いたヴァン・ヘイレンの「ホワイ・キャント・ジス・ビー・ラブ」以来HR/HMにはまり、着る服はタイトなモノが多い。ただし楽器類はまるっきしダメ。最近脇腹についた肉におびえ、全盛期は昼飯に弁当2つは当たり前だったのが1つをビクビクしながら食べている気弱なオヤジ。

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