いよいよ開幕

いよいよ、東京モーターショーが開幕しました。ボクもさっそくプレス公開日に見てきたのですが、今日書きたいのは具体的なモデルの解説ではなくて(そちらは次号のタンスタをお楽しみに!)、「日本のものづくり魂」というものについて。

 

プレス公開日には、それぞれの出展メーカーが「プレスカンファレンス」というイベントを開催します。これはつまり、メーカー側が「私たちはこんなモノづくりをしています」ということを発表する場であり、プレゼンテーションのために社長が出てくることも珍しくないのですね。世界企業の社長さんが、ボクらを相手にプレゼンをしてくれるという貴重な機会なので、ボクはけっこう楽しみにしていたりします。またボクら二輪媒体にとっては、四輪メーカーの社長の話を生で聞けるというのもレアですしね。

 

で、今回ボクが印象に残ったのは、トヨタの豊田章男社長です。カンファレンスで話すのを実際に聞いたんですが、もんのすごく、熱く熱く語っていたんですよ。特徴的だったのは、新しいハチロクがどうだとか、そういう具体的な商品の説明がいっさいなかったこと。もうね、基本的に精神論だけでした。でも、ボクはその精神論がすごく、うれしかったんですよね。最近の若者がクルマに興味がないと言われていることを挙げて「自動車メーカーとしては、正直くやしい」という素直な言葉も言っていたし、とにかく「クルマを運転することでワクワクする気持ちを人々に浸透させたい!」という熱い気持ちが伝わってきました。ボクは、こういうスピーチが好きです。

 

もちろん、聞く人によって賛否両論があるでしょう。「精神論はいいから、ハチロクの話を聞かせろよ」といった印象を持つマスコミもいたかもしれない。でもボクは、こういうご時世だからこそ、大事なのは精神論なんじゃないかと思うんですよ。具体的なモデルの話は開発者にもできるわけだし、やっぱり、社長には精神論を語ってほしいなとボクは思います。豊田社長の話を聞いていると、「日本のモノづくり魂は消えていないぞ」と思いました。今後も厳しい戦いが続くでしょうけれど、強い競争相手に立ち向かってこその日本メーカーだと思います。このコラムではトヨタを例に挙げましたが、もちろんバイクメーカーの4社からも、さまざまな「モノづくり魂」が伝わってきました。

 

明日からいよいよ一般公開される東京モーターショー。四輪だけでなく二輪メーカーもがんばっていますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

マンボサイトー

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マンボサイトー

「マンボ」というニックネームはマンボウ似であることから名付けられ、当初はかなり嫌がっていたものの、最近ではそれほど気にならなくなってきた。ビッグバイクよりも中小排気量 の方が好き、人気車種よりもマイナー車の方が好き、というあまのじゃくな性格の持ち主でもある。

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