先日、ライブに行ってきた。そのライブはちょっと変わっていて、歌やダンスなどに手話を組み合わせたパフォーマンスをするのが特徴で、過去に何回か開催されていてけっこう好評だと聞かされていたし、チャンスがあったのでせっかくだから誘われるままに観に行ってきたのだ。
率直な感想を言うともちろん楽しかった。はじめ話で聞いたときは“手話”というくらいだから歌の選曲が静かなものだったり、パフォーマーの中にも耳の不自由な方がいるということなので、しっとりした雰囲気の中でやるのだろうなと勝手に想像していたのだけど見事に裏切られてしまった。みんなのよく知るアップテンポな曲では会場全体を巻き込んで盛り上がり、バラードでは手話独特の全身を使ったパフォーマンスで観客を引き込んでしまう。また歌以外にもダンスや和太鼓の演舞など観て楽しめる演目も充実していて、まさに一粒でいろんな味が楽しめた内容だった。
もうひとつ印象的だったのが、スタッフたちがものすごく生き生きしてたこと。彼らは大学の手話サークルに所属している学生たちで、このイベントが開かれた初期のころからいろいろな大学のサークルが集まり代々ボランティアとしてサポートしている。イベントの主旨のこともあってお客さんとして来る人たちの中にも聴覚障がい者は少なくないため全員が手話でのコミュニケーションが可能な彼らは運営にも欠かせない存在だろう。そこかしこで、言葉で、手話で、来場者それぞれにインフォメーションを伝えている姿に感動し、しばらくの間見入ってしまった。自分から好きで始めたことというのももちろん大きいのだろうけど、すごく熱意を感じるしみんなすごく楽しそうだ。
ニュースで『無気力な若者』みたいに取りざたされるのを聞くことがあるけど、若者がみんなそんな人間ばかりじゃない。編集長もブログで、若者のクルマ・バイク離れという言葉はただの“レッテル貼り”と書いていたけど、彼らにそんなレッテルは貼ることはできない! そんな情熱の塊のような彼らに負けないようにボクもフンドシ締め直してがんばらなきゃと思ったしだい。