震災以降、なのかどうかちょっと定かではないが、最近「子供の危機管理…」なんて話や記事をよく目にするようになった。要は、今まで“危ないから”と学校や親が遠ざけてきた、マッチやライター、カッターナイフを使わせて、危ないからこそしっかりその使い方を憶えさせ、同時にそれらがどれだけ危ないかも実体験させる、なんて風潮が生まれているようなのだ。
僕自身は、幸運にも学校の先生にしかられたり、ひっぱたかれたりした世代だし(これも今はまったく考えられないらしいが)、親から焚き火や鉛筆削りを習って育ったもんだから、遊びの内容によって小刀やライターを持って行くのは当たり前だった。それに第一、危ないと理解していたからこそ落ち葉焚きやナイフで何かを作ったりできることは、子供ながらに誇らしいことだったのだ。そりゃあ、学校では一応禁止されていたことだし、ケガをしたり、ヒヤヒヤしたことも一度や二度じゃない。だけど別に騒ぎ立てるような命に関わるケガをしたこともないし、多少のケガならそれ自体が恥ずかしいもんだから、見付かるまで黙っていたもんだ。
ところがいつのまにか、子供たちからは意図的にマッチやライター、小刀が遠ざけられ、最近では危機管理ができない子供が増えているという。しかも、最近新聞で読んだ話では「ボールが飛んできてもさけようとしない」とか、「熱いか冷たいかを確認せずにさわって大ヤケド(エキパイとか)」など、到底考えられないレベルで危機管理ができない子供たちが増えているそうだ。それが震災が起きたことで、「自分の身を守れないようじゃ、いくらなんでもマズいだろ?」っていよいよ親たちが騒ぎ出したって寸法らしい。
ただその点、僕らライダーは恵まれている。なんせオートバイは危機管理の塊のような乗り物である。危ない? そりゃぁ、歩いたりクルマに乗るよりはるかに危険な場面が多く、非常に気をつかう乗り物だ。二輪業界には、オートバイが危ない乗り物だってことをなんとなく言いたがらない風潮があるけど、僕自身は危ないからこそオートバイに乗っているようなもの。だから、絶対にコケない安全なオートバイなんてモノができても乗りたくないし、それしかない世の中になったら多分オートバイそのものに興味がなくなることだろう。ただ、残念ながら二輪業界をとりま大きな潮流は“絶対にコケない安全なオートバイ”の方へと動いているのも事実なんだよねぇ。
ということで、人間の危機管理のあり方が問われている最近の風潮に乗じて、現代人の危機管理の希薄さを補填するアイテムとして、オートバイの“危なさ”が抜本的に見直されないかなぁ、なんて考えているしだい。そうすりゃ、“オートバイで危険をコントロールする”なんてカリキュラムが教育に組み込まれるかもしれないし、いつまでも僕は“危なくて楽しい”ドキドキするようなオートバイに乗り続けることができるんだが…。
by シモヤンブルース2011/12/19 20:54
そのとうり!だと思います。危機管理か~日本国自体が危機管理してないからね~。。
by きんたろす2014/5/21 21:49
僕は、オートバイは世界一安全な乗り物であると思ってます。
何故かと言えば、他の乗り物(特に四輪車)はもらい事故とか、回避出来ずに衝突とか、自分の技量・判断で事故を回避出来ません。
さらに、死角の問題も有ります。
バイクは死角も無いし、もらい事故は(僕の解釈では)100%有りません。
判断・予測が出来ていれば、100%回避できます。
こんな、安全な乗り物は有りません。
全ては、自分の責任で乗れる。
以上。