先日の日曜の昼下がりに、生まれて始めてクラシック音楽のコンサートを聴きに行った。コンサートといっても、近所のアマチュア交響楽団の定期演奏会だったのだが、開場前から入口に行列ができるなど地元ではすごく盛り上がっていて、もちろん演奏自体も素晴らしいものだった。ボク自身はクラシック音楽を聞き慣れているわけでもなく、プロ目線での演奏の良し悪しなどはほとんど分からないが、それでもオーケストラの演奏する音楽は、どこか精神を穏やかにしてくれるから不思議である。
クラシックがなぜ精神を穏やかにしてくれるのか? それはちょっと前に話題になった「1/fゆらぎ」が関係しているのだそう。そもそも「ゆらぎ」という言葉の意味は、物理学的に言えば「広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的または時間的な平均値からの変動を指す」のだそうである(wikipedia)。そのゆらぎの強度が周波数fに反比例するものを、いわゆる「1/fゆらぎ」というのだそうで、クラシック音楽、とりわけモーツァルトの曲は、この「1/fゆらぎ」の特性を多分に含んだ音楽なんだそうである。そのほかにも小川のせせらぎや、たき火の音、または音以外にも高原をめぐるそよ風や、さざ波などといった自然界に存在する多くものがその特性を含むそうで、人間のリラクゼーションに大きく寄与することが、さまざまな実験で立証されている。
しかしながらそれらの実験において、1/fゆらぎが人間のリラクゼーションに大きな影響があることまでは分かっているものの、そこに科学的根拠があるかというとそうではなく、ものすごく感覚的な定義として成立しているのだそうだ。もしかしたら「マイナスイオン」と同義のバズワード的なニュアンスを多く含んでいるのかもしれないが、必ずしも何かを保証するものではないことだけは確かであり、その影響を数値で表せるわけでもないのである。
正直コンサートに行く前は、退屈すぎて寝てしまったらどうしようとか考えていたが、たくさんの楽器が繰り出すハーモニーが、ゆるやかに頭の中に流れてきて、なんとも心地よいひとときとなった。それと会場は「趣味はクラシック鑑賞ですわ」な年配の方々が非常に多く、これだけの人が日曜の昼下がりに生でクラシックを楽しむなんて、やっぱり日本は平和で恵まれてるな、と思った次第。日ごろのストレスや、疲れをちょっとでも感じていたら、ぜひクラシック音楽でも楽しんでみてはいかがだろうか。そんなに高いコンサートなんて行かなくても、十分楽しめますよ。