ここ2〜3年、見識がせまいというか広げられない自分にイラ立っていたけれど、ここに来てその状況から抜け出せそうなことが身の回りで連鎖的に起きている。いろいろなジャンルの人たちと知り合うことができ、その人たちとこれからも付き合っていけそうな感触があるのだ。で、そんな具合に物事が好転し始めて、あらためてダメだと感じていた時期を振り返ると、自分から積極的に動いていないことが原因なんだと気付いた。そう結局は自分しだいなのだ。
多くの人は、つねにラクをしようとあの手この手の言い訳を用意して、逃げる傾向にある。しかし、まれにそういったところから逸脱した人がいるのだ。最近お会いした方は、70歳を越えてなお現役で、そのカテゴリーのトップレンジで活躍している。いまだに貪欲な探究心を持っていて、それを突き詰めるべく努力をしているし、つねに謙虚な姿勢を持っている。先日も、18時半にお会いして、22時まで会食した後、再び仕事場に戻って仕事に着手していた。その日は、もちろん朝から働いていたうえでのことだ。ちなみに若いころは、平日は平日で働き、土日は土日で違う仕事をして、休みのない生活を送っていたな〜とケロリと言ってのける。特殊な人だとは思うけれど、やはり見習うべきところは多いだろう。
会食の席では、これまた60歳半ばの世界的な技術者の方から「最近の雑誌は小手先でチョロチョロとやって作り手の力強い探究心が感じられないよね」と苦言を聞かされた。が、まさにそのとおりだと思う。逆をいえば、探究心の詰まった誌面を展開すれば、より多くの読者にも受け入れられるに違いない。「人生死ぬまでこれ勉強」というフレーズを思い起こす。いやはや、そう簡単にラクになれないのが人生だし、それだからこそおもしろいと最近は感じられるようになってきた。