普段は絶対に食べるために並んで待つようなことはしない。待てるような余裕のある生活を送っていないのがイチバンの理由だけれど、一人でご飯を食べることが多いのも原因の一つだと思う。先日、名古屋で用事があった際に、久しぶりに1時間近く並んだのも、一緒にいた人に名物を食べてもらいたかったからだ(今は東京で生活しているけれど、20歳までは愛知で育ったから、名古屋の名物には少しばかり詳しいのだ!)。彼は、ボクより時間に追われた生活をしていて、やはり同じように並ぶことがそうとうな苦痛のようであった。待っている間に何度も「これだけ待たせておいしくないものだったら、絶対に店主に文句を言いますよ」と繰り返していたほどである。開店から15分遅れでお店に着いたにもかかわらず、1時間近く待ったのだからそう言いたくなるのもムリはない。ただ、食べ物にありついてからの豹変ぶりがおもしろかった。一口めを口に入れると、「ああ、これはうまい!」と一気にがっつき、アッという間に大盛りを食べ終わると、さらに同じものをお土産にまで注文したのだ(笑)。ボクはといえば、その変わりっぷりに、少しの間、口がアングリ開いたままであった。ただ、何よりも彼が喜んでくれたことがうれしかった。最後には「これなら、あれだけ待たされるのも納得できますね。次に名古屋に来るときもここで食べましょう」とまで言ってくれたのだから。
食べ終わってお店を出ると、入店待ちの列はさらに長くなっていた。確実に1時間以上は待つことになるだろう。それでも待つ人たちをすごいと思うけれど、待たせるだけのものを提供するお店もすごいと思う。単価も高いうえに、待ってまで食べたいと思わせる味とサービス(実際に店員の動きも配慮が行き届いているなと感じさせるものがあった)。どちらかというと“安かろう悪かろうでも仕方ない”に流れがちな今の時代において見習うべきところの多いお店だと思った。
ちなみにボクらがどこのお店に行ったのかわかる方いるかな?