テレビかドラマかマンガか、なんらかのモノで『男が泣いていいのは足の小指をぶつけたときと、母親が死んだときだけだ!』という潔いセリフを耳(目)にしたことがある。影響されやすかった幼きころのボクは「まったくそのとおりだ!」と思い、卒業式や親友だった者が転校してしまうような別れ、もっというと実のおじいちゃん、おばあちゃんが亡くなったときでも笑っているようなヤツだった。それが以前ならとくに何とも思わなかったようなことなのに、なぜか20代になってくらいからちょっとしたことでも目頭が熱くなってしまうようになり、最近ではさらに涙が収まりきれず、つーっと、涙を流してしまうようになってしまった。これはなぜなんでだろうか? 俗にいう“年を取った”から?
思いかえすとそういった場面でよく出てくるのが父親という存在。なんか感情移入してしまうんだよね。記憶に残っているものを挙げると、ミュージカルの『ライオンキング』が初めてやられたしまった作品。見せ方がすごくうまかったというのもあるんだろうけど、とあるシーンでのセリフに「わかるぞぉ~、親父ぃ!」と泣いてしまった。つい最近も親友が結婚し、その式で神父さんが有名なコリント13章を、さらに短くつまんで話しただけなのにつつーっときてしまった。自分で言うのもなんだけどそのカップルをくっつけたのはボクで、付き合ってからも双方からの相談を受け、山あり谷ありを見守ってきて11年。なんというか勝手に親の心境になってしまい安心したところに愛の重要性を語られたら…、もうダメでしたね。今はまだ音をたてるほどのことはないけど、もし万が一、ボクに子どもができて、しかもそれが女の子だったら大号泣してしまうかも…。「嫁にやれねえな」なんてよくわからない妄想までしてしまう始末だ。
昔の自分がみたら「めめしい奴」と言われそうだけど、この1、2年では泣くことにも開き直って、わざわざヒューマンドラマ系の映画を選ぶようにもなってしまった。ボクが映画を観ながらグスングスンしているようなところなんて想像もしたくないだろうけど、ハッピーエンドで終わると心も体もけっこうスッキリする。心のデトックスにオススメですよ!