最近、「料理が作れる男になりたい」という思いが強くなっている。もちろん料理というのは玉子焼きとかゆで麺を炒めて作る焼きそばなんてレベルではなく、理想は一汁三菜がベスト。他にも冷蔵庫をガチャッと開けて「あっ、○○の賞味期限が今日じゃん。じゃあ××でも作るか」なんて、在り物の食材に合わせて作れるレパートリーの豊富さも欲しい。いかにもな感じだけど、そんな風にパッと思い浮かんだものを鼻歌交じりに作れちゃったらカッコいいじゃない!
一応これでも学生のころには一人暮らしの経験があって、時間があるときには台所に立って包丁をにぎりフライパンを振っていたこともある。料理本を買っていろいろチャレンジもしたし、おいしいと評判の店を聞いて食べ歩いたりなんてこともあった。得意としてたのは煮物系。そう聞くと手が込んだモノが作れて料理が得意みたいに聞こえるかもしれないけど、これがすごく簡単(というかこれしかできないんだけどね)。なんでも入れちゃってグツグツ柔らかくなるまで煮てしまえばほとんどできたようなもの。野菜とか肉とか魚とか、勝手にダシが出てくるからちょろっと味付けすれば完成なのだ。
でもね、それくらいのことができるようになるのにもけっこう時間がかかった。はじめは火にかけすぎて水分が蒸発し鍋ごと丸焦げにしてしまったり、トマトソースを作る要領でオリジナル“オレンジソース”を作ってみようとみかんと玉ネギを煮込みとても形容できないようなものを作ったりもした。基礎がないのにあれこれオリジナリティを出そうとするあまり方向を見失ってしまう、料理ビギナーにありがちなミス。それこそマンガに出てきそうな一品を作ってしまったこともあったなぁ。
料理ってやっぱり経験というか慣れというか、回数をこなしていくことである程度はクオリティや手際のよさが上がると思う。タバコを吸いながら―とか、缶ビール片手に―とか、できないボクからすればまさしく片手間のようにやっているのにすごくおいしく作れる人もいるからね。ボクはまだその段階ではないので地道に煮物以外のレパートリーを増やすことから始めていこうと思う。いや、その前に台所に立つところからだな…。