取材で四国に行ってきたのですが(このレポートは次号にて!)、とある道の駅で、ツバメがさかんに飛んでいるのを見かけました。何組ものつがいがレストランやトイレの屋根に巣作りをしていて、入れ替わり立ち替わり忙しそう。なんだか、ああいう光景を見ているとほほえましくなってしまいますね。
そもそもなぜ、ツバメは人間の生活に近いところに巣を作るのでしょうか。これについては知っている人が多いとは思いますが、どうやら人間を利用しているらしいですね。ツバメにとってはヘビやカラスなどが敵なのですが(卵を狙われるため)、ヘビやカラスってのは人間も嫌いです。あまり住居に近づけたくありません。そこで、こういう人間の性質を利用して軒先を間借りしているのだとか。人間にとっては、玄関先などをフンで汚されることがマイナスではあるのですが、ツバメは害虫などを食べてくれる益鳥であるため、古くからツバメと人間は共存関係を築いてきたそうです。各地には「ツバメが巣を作った家は縁起がいい」といった言い伝えがあったりしますし、何より心情的に、ツバメの巣を壊すってのはどうも…人として抵抗がありますよね。泥やワラを少しずつ少しずつ運んで巣を作って、せっせと子育てしてる姿を日常的に見ていれば、やっぱり情のようなものがわいてしまいます。ヒナが巣立った後には「おー、巣立ったか」くらいは思いますし、空っぽになった巣を見ると、卒業生を見送った後の先生のように(経験はないですけど)少し寂しかったりしますよね。
もともとツバメって「いいイメージ」があるので、いろいろな物の名称やキャラクターとして採用されてます。たとえば男性の礼服には「燕尾服」というのがありますし、野球の球団名には「ヤクルトスワローズ」なんてのもあります。俳句の季語なんかにも使われることも多いでしょうし…。そうそう、飛行機好きのボクとしては、かつての陸軍戦闘機「飛燕(ひえん)」も外せないところですねぇ〜! 液冷エンジンを搭載した高速型の戦闘機で、後に空冷エンジンに換装した五式戦闘機というのも登場。これもまた高性能を発揮して…っと、このまま語り出すと止まらなくなってしまうので今日のところは飛行機ネタはやめておきましょう。
タンスタ編集部は今から5年くらい前(もう覚えてないや…)に引っ越しをして、港区芝大門にやって来たのですが、それ以前には港区元赤坂というトコロにありました。ここにあった建物には毎年ツバメが巣を作りに来ていたので、この季節になるとツバメの姿を見るのがちょっとした楽しみだったんですよ。おそらく、すぐ近くに赤坂御所があったので巣の材料やエサなどが多かったんでしょうね。でも今の編集部は典型的なビル街にあるので、ツバメの姿が見えないのがちょっと残念です。
みなさんのご近所では、ツバメの姿は見えますか?