バイク雑誌の編集部員をしていると、日々いろいろと気になることがある。けれど、なかでも気になるのは発売された新型車両。つまり雑誌で鳴り物入りで騒いで紹介したマシンが実際に売れているのかどうか? ということだ。たくさん売れていれば、みんなが注目しているということだし、ひいてはオーナーさんの数になるから、そんな売れて売れてしょうがない人気のバイクを誌面に大きく取り上げる=それだけ多くの人が僕らの雑誌を手にとってくれる=雑誌の売り上げも伸びる、といういたってストレートでわかりやすい商業的三段論法も成り立つ。だから、僕らバイク雑誌編集者は売れている車両、みんなが気になっている車両が気になるというワケだ。
バイクの販売台数や登録台数の数字に強い業界誌もあるけど、月ごとの結果が発表されるのが数ヶ月後だからね。僕らにはそれではちょっと遅い。売れてそうな車両をあらかじめ予測して、どんなところが気になるかを考えながら誌面を作っていかないと、まぁありていの言葉でいれば「ノリ遅れる」ワケだ。
では、どうやって売れてる車両と判断するか? もうこれは発売後、街中でどれだけ見かけるかとか、取材に行ったお店での反応とかで判断するしかない。ちなみに今僕が気になっているのがホンダの新しい250ccオフロードマシンCRF250L。発売の次の日、大門の交差点で大きなボックスを積んでいるのバイク便を見かけたのを皮切りに、街中でちょくちょく見かけるようになった。発売から約1ヶ月後が経った昨日も雨のなかを元気に走るCRFを千葉の幕張で見かけた。
ほんのたまたま、偶然の積み重ねだけど、これだけの数を発売直後に見かけるのはめずらしいことだし、残念ながら人気の低い車両は(とくに新車は)街中でもやっぱり見かけないことだけは確かだ。最近の車両でいえばカワサキのNinja250R、ホンダのCB1100あたりの出だしと同じか、もう少し多そうな印象。状況を知ろうといくつかのお店に探りを入れてみたが、売れ行きも反応も上々のようだ。
45万円を切るその安さが人気なのか、それとも時代がオフロードバイクに追い風なのか、それともその両方か? まぁ、これだけ安くていいモノが、ちゃんと適正に売れてくれないと、「何を作ったって今の人たちは新車を買わねぇじゃん!」と業界がどんどん縮小してさらにラインナップがさらに減ることになるのは自明の理。そんな意味でもCRFにはビシビシと売れてもらって、今のライダーも出すもの出せば新車をちゃんと買うんだってことをメーカーにアピールしないとね! あっ、CRF250Lについては現在発売中のUnder400/34号にて、インプレッションからオイル交換まで、ガッツリ取り上げているからそちらもどうぞよろしく!