久しぶりにガッツリとコケた。まぁ、大体ヤバいときには、転倒した瞬間に“こりゃひどいことになるな”と直感が走るのだが、今回はそのシグナルが久しぶりに出た。モトクロスコースでジャンプの着地に失敗したんだけど、脇腹をしこたま打ったので、直後腕に力が入らず横たわる車体を起こすことができなかった。数日経った今でも打った部分に痛みは残っているものの、幸い骨折はないみたいなので、少しの間おとなしくしていれば回復するだろう。
今回の転倒で、ちょっとした“躊躇”が体の動きに反映されるのはおもしろいなぁとあらためて思った。飛び出す瞬間に、“ムリかも…”と思ってしまったのだ。その結果、意識はしなかったのに右手はアクセルを戻した感がある。そしたら案の定である。この失敗をするちょっと前に同じようなカタチ&距離のジャンプを“いける!”と思って飛んだときは、大丈夫だっただけに悔やまれる。
さらにバイクに対する感覚の差もおもしろい。日本人にバイクで転んだと言えば、きっと「体は大丈夫?」と聞き返されるだろう。ところが知り合いの中国人にその話をしたところ、「恥ずかしいよね、自転車やバイクで転ぶのって」という反応であった。勝手な想像だが、日本ではバイクブームによって、峠やサーキットを猛スピードで走る危ない乗り物のイメージが強いけれど、バイクにさほど興味のない中国人にとっては、自転車の延長線上にある乗り物なのだろう。
まあ、転ばないに越したことはないと思うけれど、転ぶことでいろいろと学ぶこともある。何事もチャレンジせずに安パイを選ぶよりは、多少の失敗はあっても何かを得られる可能性を追求したい。ふとそんなことまで考えた久しぶりの転倒であった。