ブーム再来を願うも、おもいは実に複雑なり…

この3連休を利用して山梨県にある瑞牆(みずがき)山に登ってきた。以前からこの地域はツーリング取材で訪れており、行くたびにそのゴツゴツとした岩峰を「かっこいい山だなぁ、登りたいなぁ」なんて眺めていたのだ。ふもとで民宿をいとなむおばちゃんに「なんの。行きに3時間、帰りに2時間程度だよ」ってな具合の手軽そうな話を聞いていたしね。

まぁ、僕自身は登山部出身とかではないのだが、もともと親の山好きがこうじて北アルプスは毎年のように通ったし、学生時代には、毎年夏の2ヶ月は槍ヶ岳の肩の小屋で住み込みのアルバイトしていたのでそれなりに歩けるつもりだ…った(笑)。

なんだかんだと出発が遅れて、現地に着いたのは午前9時過ぎ。登山のスタートとしてはチョット遅めの時間ではあるのだが、現地に着いて駐車されているクルマの多さにビックリである。ここ数十年定着している中高年登山ブームに加えて、近年の“山ガール”の台頭。3連休の初日ということもあってか、登山道の入口には場所を争うようにしてクルマが停められている。もっと遅い時間だったら「クルマが停められなくて登山を断念」なんてことが普通に起きそうなほどの込み具合である。

久し振りの登山。数年前に企画で登った奥多摩の雲取山以来。純然たるプライベートとなると、屋久島の宮之浦岳が最後。実に10年以上ものブランクがあいている。己の体の衰え具合にもビックリしたが、それ以上に驚いたのがやはり登山者の数である。これがウワサの登山ブームというやつか! それに女性の登山者もやはり多い。中高年のおばちゃん(おじちゃんもね)が多いのは20年前と変わらないが、やけにカラフルなお嬢さんたちもなんだかんだと目につく。それに部活かサークルだろうか? 大学生ぐらいの男の子の姿もわりと多い。いやぁ、ひと昔前は登山が趣味なんて言おうものなら、「山屋なんて変わりモンよねぇ…」なんてキワ者扱いされたもんだが、ずいぶんと時代が変わったようである。

なので、頂上などはもう大混雑。瑞牆山がどれくらい人気なのかはあまり下調べしてなかったのだが、僕が知っている時代の、一番混み合うお盆の時期の槍ヶ岳か奥穂高のような混雑具合なのだ。頂上を示す「2230m瑞牆山」という道標で写真を撮るのも順番待ち(おかげで「スミマセン。写真お願いします!」とは言いやすかったけどね)。座ってお昼を食べる場所も空いたところにすかさず荷物を置いて確保するってな具合である。

うーん。我らがオートバイももう一度ぐらいブームになってほしいとは思いつつも、あまり流行りすぎて高速道路のパーキングはもちろん、峠や林道でバイクを停めるのも順番待ちではねぇ…。もしかしたら、今ぐらいのマイナー具合がバイク本来の機動性や気軽さがあって楽しいのかもね。ということで、ひとまずバイクで走るにはちょうどいい秋の行楽シーズン到来です。みなさんガンガン走りましょう!

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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