今から20年以上前、浪人生のころによくお世話になっていた名古屋駅の地下街で久しぶりに飯を食べた。これまではどちらかというと、食にはうるさくなくて“どうしても○○が食べたい!”なんて思うことはまずなかったのだが、ファーストフード系ばかり食べているからなのか、歳をとって違いがわかるようになったから(!?)なのか最近はどうしても食べたくなるモノがある。その一つが名古屋名物の“きしめん”だ。名古屋で用事があるときはたいがい食べている。今回立ち寄ったのは、カウンター席もあるどちらかというとファーストフード的なお店。食事をゆっくり摂る時間がなかったこともあってチョイスしたんだけど、対応が早そうな定番メニューから一品を注文したのに、なかなかモノが出てこない。都内のその手のお店に比べて、かなり時間の流れが遅く、少々イラ立ちまで覚えてしまった。こんなときにふと東京は、ほかの地方都市と比べても時間の流れが速いんじゃ?と感じるのだ。歩くときなんかも、都内だと周りとちょうどいいペースでも、地方に行くと周りのペースが遅くて、もどかしく感じることが多々あったりするし。
そんななか、たまに実家に顔を出し、田舎特有のゆったりと流れる時間の中に身を置くと、なんともいえない安堵感に包まれる。若かりしころは、そのゆったり感が嫌で上京してきたのに、今となってはそのゆったりさを欲している自分がおもしろい。とはいえ、生活するとなると、きっとまた“遅い!”とイライラするに違いない。いったいボクにとってベストな時間の流れってどれくらいなのだろうか? そんなことがよく頭の中をよぎる今日このごろである。