探している間が一番楽しかったりとか

最近カメラを新調した。ずいぶん前に買ったデジタル一眼レフカメラを、レンズ一式母親に譲り渡してから早1年。それからはもっぱら写真撮影と言ったら携帯電話か、せいぜいコンパクトデジタルカメラといった感じで過ごしていたのだが、やっぱりどうにも物足りない。しかも、そのコンデジも購入から5年が経っており、不満がないわけではなかったので、事あるごとに新しいカメラが欲しい気持ちがフツフツと湧き上がっていたわけである。

当初は、それほど高くない、それこそミラーレス機のように小さくて軽くて画質もそこそこ、そんな感じのモノを探していた。が、探しているうちに自分の中の要求するスペックがどんどん上がっていってしまい、気付いたらフルサイズセンサー搭載の一眼レフカメラを物色するようになっていた。

だいたい男というものはスペックに弱い。バイクで言うなら排気量や馬力はもちろんのこと、最近ならトラクションコントロールや電子制御サスペンションなどなど、「そんな性能扱い切れるわけないでしょ!」といったツッコミを一切抜きにして、装備が凄ければ凄いほど萌えてしまう生き物である。バイクを探しているうちに250ccが400ccになり、400ccがリッターオーバーになるなんてのはよくある話で、原付を買いに行ったバイク屋さんで、気付いたらうっかり1,000ccのスーパースポーツをローンを組んで買っちゃった、なんて話も実際あったりする。ただの通勤の足を買いに行っただけなのに…。

で、カメラ選びというのもけっこうバイク選びに通じるものがあって、スペックの決め手となる要素はたくさんあるし、機種だって山ほどあるので、迷うなって方が無理なのが昨今のデジカメ事情である。そして、たいした撮影技術もないくせに、連続撮影コマ数がいくつだとか、ISO感度があれだとか、オートフォーカスの速度がどうだとか言い出して、機能の半分も使いこなせないような代物を手に入れて悦に入るのである。

しかしながら、やはり少しでも新しくてすごいヤツが欲しいという心理は、女性より男性の方がはるかに強いと思うわけである。特にこの「少しでもすごいヤツ」に対する男のロマン(?)はツッコミどころが満載で、手段が目的となってしまう典型的な例と言えるだろう。

結局自分が購入したのは、型落ち寸前でお買い得となった中庸一眼レフカメラである。購入は、正直年末の勢いが後押しした面もあるが、やはり新しいものはいいもんだ、というわけで今から撮影に行くのが楽しみである。いやぁ〜、やっぱり買い物はテンション上がりますな。

C.ARAi

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C.ARAi

Web制作班所属。何事にもしっかりしていたい気持ちはあるものの、やってることはかなり中途半端。基本的に運命にはあまり逆らわず生きていくタイプで、いきあたりばったりが自分にはよく合っていると思っている。悪く言えば計画能力ゼロ。モットーは「来るもの拒まず、去るもの追わず」。

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