いやぁ、困りましたねぇ、ガソリンの価格高騰。ドンドン値上がりが進み、編集部の近隣にある港区芝大門付近のガソリンスタンドはもともとの地価のせいか値段の跳ね上がり方もハンパではない。昨日なにげなく給油してみればレギュラーガソリンなのに166円! 思った以上の出費に「ハイオク入れられたか!?」と思わず店員に聞き返してしまいました(笑)。しかも、店側も「高いショバ代に加えて、ガソリン高騰じゃ仕方ないだろ!」と開き直っているのか、ガソリンの価格を表示しないなんてところもチラホラと…。
こうなると、近隣で1円でも安いガソリンスタンドを探したり、出先で見付けた安いスタンドで給油したくなるのが人情ってもんだが、ニュースでさらに気になる話を耳にした。ガソリン高騰の影響ももちろんあるのだろうけど、エコカーの普及や若者のクルマ離れなどで、近年は全国的にガソリンスタンドの廃業が相次いでいるという。経済産業省資源エネルギー庁によれば、全国の給油所数は6年度末の約6万ヶ所から、23年度末には約3万8千ヶ所に減っているという。半分とはいわないまでも恐ろしい減りようだ。
ここ数年は、震災の影響もあってだろう、確かにクルマやバイクのメーカーはこぞって少ない燃料でたくさん走る好燃費なマシンやハイブリッドマシンを登場させている。軽自動車なら30km/ℓ近くにせまり、馬力の出るスポーツカーながら20km/ℓを超えるクルマも出てきている。だが、それがガソリンスタンドの廃業につながるほどとは思ってもみなかった。燃費のよさをアピールするクルマのCMで「ずっと待ってたのに!」と叫ぶガソリンスタンド店員に女性が「ほんとにリッター29km/hなの…」などとさとす茶番劇を見て思わず吹き出してしまったが、こいつはどうやら笑いごとじゃないらしい。
2年前の大震災。ガソリン難民になって動けなくなったライダーも多いと思う。ガソリンを使わない燃費のいい乗り物がいけないとは思わない。だが、あの地震で“ガソリン備蓄量が国力を表す”ということをまざまざと見せ付けられたハズではなかったのか? それなのに日本各地ガソリンを備蓄してくれているガソリンスタンドがどんどん減っているとはどうしたものか…。いくらエコカーが増えているとはいえ、まったくガソリンを必要としない乗り物がそうたくさんあるワケでもない。100%電気で動く乗り物にしたって、どうやって電気を作るかといえば、原発がイヤなら、やっぱり石油を燃やす火力に頼るしか今のところすべはないのである。
企業もユーザーも、エコ、エコ、好燃費と躍起になっていたら、いつの間にか近所にガソリンスタンドがなくなって、家から往復20kmのスタンドにガソリンを1ℓ近く燃やしながら出かける…。こうなってしまったら、エコも本末転倒な気がしてならないのだが。