リアルだからこそのすごさ

近年は、シルクドゥソレイユなんてカタカナ表記のエンターテイメント集団をテレビ局が積極的に取り上げるから、昔からあったエンターテイメント集団である“サーカス”なんて時代遅れだっと勝手に思っていた。きっとこのコラムを目にしてくれている人の中にも、同じような感覚の人が少なからずいるだろう。で、ひょんなキッカケで木下大サーカスを見に行くことになったのだが、正直なところ、“たいくつな数時間を過ごすことになるんだろうな”とかなり及び腰だったのだ。

ところが実際に会場に着くと、多くの人で入場口の周りが溢れかえり、とくに若いカップルが多かったことに少なからず衝撃を覚えた。とはいえ心の中では“デートでサーカスってどうなの?”とまだ斜に構えていた。ところが、ショーが始まる前の余興で、“あら、なんか思い描いていたのと違くないかい?”となり、ショーが始まると、完全に“ボクが間違ってました”となったのである。2時間強のショーだったのだが、ほとんど時間の感覚はなく、あれよあれよという間に閉幕となっていた。まさに夢のような時間であった。

見ている最中に、ふと子どものころにサーカスを見に行ってすごく感激したのを思い出したのだが、そのおぼろげな記憶からは想像できない進化をしていたことに驚いた。今のませた子どもはもちろん、大人までもが十分に楽しめるエンターテイメントになっていたのだ。ショーの終了後に関係者の方にお話を聞くことができたのだが、エンターテイメントとして、観客を楽しませるための工夫をさまざまな方向からし続けていることに感銘を受けた。そして、“ボクもがんはろう”というパワーを受け取ることができたのである。

最近はいろいろなところでバーチャルな世界の完成度が上がって、それはそれですごいことだと思う。ただリアルな世界の持つ緊張感にはやはり劣る。だからぜひともバーチャルな世界で遊んでいる人たち、とくに子どもに“サーカス”を見てもらいたいと思った次第である。

タロー

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タロー

自転車にはじまり、バイク・車と自分で運転できるモノに乗っているだけで喜びを感じてしまうアラフォー。初めてラジオで聴いたヴァン・ヘイレンの「ホワイ・キャント・ジス・ビー・ラブ」以来HR/HMにはまり、着る服はタイトなモノが多い。ただし楽器類はまるっきしダメ。最近脇腹についた肉におびえ、全盛期は昼飯に弁当2つは当たり前だったのが1つをビクビクしながら食べている気弱なオヤジ。

コメント 2件

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    by 森の人2013/3/9 22:27

    私も数年前仙台公演で見ました。料金は高かった記憶がありますが、それに見合ったショー内容で満足しました。特に音楽と演技がシンクロしていて素晴らしかったと思います。ところでサーカスといえばやっぱり球体中をバイクで乗るやつが子供のころの強烈な思い出です。まだ、どこかでやってるのかな~。もしやってたら、貴誌で取材できませんか?

  • by タロー2013/3/10 08:04

    おお、なんと、じつはその球体のなかを走るバイクの取材に行ってきたのです。というわけで本誌で近々にレポート予定。乞うご期待ください!

    タロー

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