チャンカメ大脱走…もといチャンカメの家の亀が脱走した話を読んで、昔実家で飼っていた犬を思い出した。うちの実家では過去に2匹犬を飼っていたことがあって、初代が三平、2代目は権兵衛というしょうもない名前だったのだが、なかなかかわいいヤツらだった。
ずいぶん前に権兵衛が亡くなって以来、もう実家では犬を飼っていないのだが、2匹とも若い頃はよく脱走していたものである。脱走パターンは大きく分けてふたつ。ひとつは玄関先でリードを外して放し飼いにしていたところに、お客さんが来て脱走してしまうパターン。そしてもうひとつは、散歩の途中に首輪が抜けた途端、あっという間に見えなくなるパターンである(笑)。特に首輪が抜けるパターンの場合、逃げた後は首輪が付いてないので見た目が完全に野良犬なのと、首輪がないのでなかなか捕まえられない点がなかなかに厄介なのである。(ちなみに犬種はただの雑種) なのでこのパターンで脱走すると、うろついている間に保健所に連れていかれたりやしないかと、いつもヒヤヒヤしていたわけだけど、たいていは一晩くらいすると家の近所に現れるので、それから家族総出で捕獲作戦に入るわけである。
で、犬が脱走するとたいてい家族と交わす会話というのがあって、それが「いったい何に不満があって脱走するんだろうねぇ。毎日黙ってればご飯が出てくるし、雨風しのげる環境でいられるのにさぁ」といった内容である。まぁこのあたりは人間様の見解であって、そもそもその真相は犬に聞いてみないと分からない。犬からしてみたら多少のひもじい思いをしたって、ノビノビと外で過ごしたかったのかもしれないし、もしかしたら人間どもがうざかったかもしれない。そう思うと、はたしてウチの2匹は本当に幸せだったのだろうか、と思ってしまうが、「飼ってもらえてるんだから幸せ」と思うのは、完全なる人間のエゴだと思うわけである。そんなわけで、動物の気持ちが分かったらさぞ便利かなぁとは思うけど、やっぱり分かんない方が幸せなんだろうなぁ。あ、もちろん“人間が”ですけど。