日々、姉妹紙『スクーターデイズ』のため、映画の予告編に目をとおしているのだが(スクーターが登場する映画を紹介しているのだ)、そのなかで、題名と内容に興味をそそられたのとJose Gonzalez(ホセ・ゴンザレス)の『Step out』という曲が気に入って『LIFE !』(邦題)を観に行ってきた。
ここ2、3ヶ月、いろいろと自分の生き方について考えさせられることがあって、それが“LIFE !”という言葉により強く反応してしまったのかもしれない。ただ、始まってすぐに原題が『The Secret Life of Walter Mitty』であることを知って、瞬間的に嫌な予感がした。作品自体は42歳の主人公がどことなくボク自身と重なるところがあって、かなり感情移入して観ることができた。昨年後半に見に行った作品がすべて“なんかなぁ〜”という感想に終わっていただけに、久しぶりに“観応えがあった”と思える内容だったことはよかったのだが…。そう、先に挙げた嫌な予感がまさに的中してしまったのだ。邦題がイマイチ作品の内容にマッチしていないというか、“なぜ、こんな題名をつけちゃったんだろう?”というきっと誰もが一度は洋画や洋楽で感じたことがある納得のいかない気持ちにさせられてしまったのだ。確かに、『The Secret Life of Walter Mitty』を直訳したって、魅力的な題名にはならないだろうけれど、作品の持っている意味が“LIFE !”というセンテンスに、集約されているとは思えない。きっと、原題の意味をしっかりと反映した題名であれば、もっと多くの人の心に引っかかったんじゃないかと感じてしまったのだ。まぁ、文章で表現する仕事にたずさわっているだけに、当然ながら“人の振り見て我が振り直せ”ってヤツで、あらためていろいろ考えさせられたのである。
ただ、3連休初日のレイトショーだったのに(とはいえ封切り直後の最初の休日だった)、けっこうな人で席が埋まっていたのは、映画作りにたずさわったことがある映画好きにとってはうれしいことだった。