視界に入ってくる風景に緑の面積がずいぶん増えて来た。冬の景色から今の景色を頭の中で早送りでつなげていくと、なんだか植物の声が聞こえて来そうである。特に今年は大雪という大変な時期も乗り越えてきているから、きっと例年よりもおしゃべりになっているんじゃなかろうか…などと考えるとなんだかおかしい(けしてアブナイ人ではない…汗)。バイク乗りのみなさんもこんどの休みはどこに行こうか、夏休みは遠出でもしようかなど、アクティブな気分になっていることと思う。暑い季節を目前になんとも言えないこの感じ…個人的には割と好きである。そしてこんな時期には虫もまた勢力的に動き出す。
…と話の流れが強引にかわったところで、今回のコラムがバイクと無関係だとわかっちゃいますね(汗)。いやいやでも聞いてくださいまし。先日、草むらで遊んでいた小学生の子が「排水溝になんかへんな生き物がいた!」とさわいでいて、どうへんなのか聞いてみると、どうやらイモムシにしっぽが生えていて、目や耳や手足などは見当たらず、しっぽも付着ではなくちゃんとしっかり体から生えているんだそうで。体毛のようなものはなく、全身白で、全長2〜2.5センチほど、しっぽが1〜1.5センチらしい。何それ? 生き物なの? と半信半疑で聞いていたが、クネクネと動く様はまさにイモムシで、それに長いしっぽが生えているんだと、これは珍百景(テレビ番組)に登録なるんじゃないかと小学生は興奮気味に言うのだが、肝心の写真がない。しかも小学生の一人がキモチ悪いと枝でつついてポイッと捨てたというではないか! な、なんという浅はかな!(この時点ですでにわたしの頭の中も「新種? 珍種?」とざわついていた)
小学生:「まだ動いていたから生きているかも…じゃあもう一回つかまえてくる!」
私:「待って、もし捕まえたがために貴重な新種が絶えてしまったら…! とりあえず写真だけにしてそのままそこに生息させておいたほうがいいと思う!」
…なんて一緒に騒いでいて、気になって仕方がないので「しっぽの生えた幼虫」で検索したら…いっぱい出てきた。画像検索で出て来た画像を小学生に見せると「ああ〜これこれ! でもこんな透明だったかな…白かったんだけどな…でも大きさや形はこれだった!」な、なんだ。せっかく気分が盛り上がってきたのに…あっさり終わってしまったではないか(汗)。とりあえず正体はわかったが、新種じゃなかったとは(沈)…また子供に踊らされたカタチとなってしまった(ハズカシイ…)。
…で、その生き物の正体は、通称「オナガウジ」と呼ばれるハナアブ類の幼虫なのだそうだ。『世界大百科事典』によると…ハナアブ(花虻)は,もっともふつうな種で,成虫は3~12月ころまで出現し,花壇などの花上でよく見かける。幼虫(今回見たのはこの幼虫だったらしい)は水生で,長い呼吸管をもち,これを水面に出して呼吸するのでオナガウジと呼ばれる。下水溝など汚水中で水中の有機物を食べて生活しているらしい。興味のある方は「しっぽの生えた幼虫」で検索してみてほしい。(見た目たしかにちょっとキモチ悪い…かも?笑)