3月18日 神奈川県
ポルシェで男性会社員(45)のオートバイをあおり転倒させ重傷を負わせたまま逃走した疑いで逮捕
7月23日 大阪府
あおり運転をする乗用車に追突され、バイクに乗っていた大学4年生が死亡。追突した運転手を殺人罪で起訴
最近…ではないけれど、今年に入ってからあおり運転に関する報道が増えてきている気がする。上に挙げたのは特に注目された事件であり、実際はネットニュースなどでかなり多くのあおり運転に関する事故・トラブルの報道がされている。試しに「あおり運転」と検索エンジンに打ち込んでみれば、その多さがわかってもらえると思う。
もちろん車が車にあおられる事も多いのだけど、僕らとして関心があるのはやはりバイクに乗っていてあおられる時のこと。体をむき出しの状態でつねにバランスをとり走っている僕らにとって、鉄の板で囲まれて転ぶ心配もない四輪車にあおられるのは、なんとも一方的で、恐ろしいことだろうか。
インターネットでは多くのバイク乗りが被害者に対する同情の念や、加害者に対する非難の声を挙げており、弊誌のアンケートでも「どんなに怖かっただろうか」と悲嘆の声が見られた。”もし自分が遭ったら…”と恐怖を覚える人もいただろう。
僕自身もあおられたことがないだけで、実際に遭ったらどうすればいいかと悩む。素直に停車し、道を譲ればいいのだろうか。でも降りてきて暴行されるかもしれない。そもそも、ギリッギリまで車間距離を詰められて、止まることが許されないかもしれない。ドライブレコーダーを付けても、事故自体は防げない…。考えすぎだと思われるかもしれないけど、すべて実際に起こった事例がある。
あおり運転の対策やそもそもあおられない対策はネットに多数挙がっているので割愛するとして(「あおり運転 対策 バイク」と調べればすぐ出てくる!)、僕がこの場をお借りして言いたいのは、自分も気付かないうちにあおり運転してないかなぁ。ということ。
ニュースを見て”なんて外道が世の中にはいるんだ!”と怒りを覚えた僕だけど、直後に”やべ、俺に対しても怒ってる人いるのかな…?”と、周りの目が気になって仕方ない僕は不安を抱く。申し訳ないのだけど、僕はいついかなる時でも交通マナーを守って運転しています!と堂々と言える自信がない。
現に以前、撮影のためにスタッフの車の後ろをバイクでついて行く機会があったのだけど、「車間距離が近いよ」と注意を受けたことがある。僕自身は別段詰めているつもりはなかったので、驚いた。そのスタッフは恐いとは言ってなかったけど、もしかしたら、今までにこの車間距離のせいで恐がらせてしまったドライバーがいるかと思うと、申し訳ない気分になる。
そのときの思い出と昨今のニュースをきっかけに、”あの車線変更は、車にとって恐くないだろうか””あの運転は、車の邪魔になってないだろうか”とぼんやり考えるようになった。すると思い当たる節が続々と出てきて、恥ずかしくなってくる。
考えてみれば、冒頭の事件も重傷や死亡事故につながったからこそマスメディアに取り上げられた面も、少なからずある。でも、報道されない、事故が起こらないだけで、ヒヤッとする場面は道路上に無数にあるのだ。そしてもしかしたら、そんな隠れたあおり運転の加害者は、ライダーの方が多い…かもしれない。四輪車の方が安全でケガをしにくいからこそ、報道されず、世の中に伝わらず、認識されていないだけで、バイク人口よりもバイク嫌い人口の方が増えているのが現状かもしれない。
それってとても悲しい。
“人に迷惑をかけなければ、自分も危険な目に遭わない””マナーを守りイメージアップして、四輪ドライバーとのトラブルを避けよう!”…というのも一理あるけれど、正直僕は納得できない。悪質な人は、車だろうとバイクだろうと、自転車だろうと歩行者だろうと老若男女全てに対して悪質な態度をとるから。イメージアップで自衛はできない。
ただ、自衛のためではなく、バイク乗りの名誉・誇りのため、迷惑な運転を避ける努力はするべきだと思う。(もちろん交通安全のためにもね)
ワインディングで前のファミリーカーをあおっていないか? 無理矢理すぎるすり抜けはしていないか? 夜中に騒音で迷惑をかけていないか?
周りから白い目で見られながら走るのは、刑罰を受けるよりもツラい。
あおり運転の犠牲となった大学生は、バイクが大好きだったという。ライダーが非難される世の中を見たら、故人はどう思うだろうか。加害者への怒りを抱きつつも、周りから怒りの声を向けられていないか、今一度確認したい。
by 鋼鉄兄2018/9/22 22:32
自分はバイクも車も好きですが、気持ち的に路上での強さを順位にすると車を頂点にバイク、自転車、歩行者の順と考えてます。
だから車に乗っていてバイクに煽られているという感覚はどんな距離感でもあまりないです。明らかに怪我するのはバイクの方なので「危ないなー、大丈夫かなー?」程度。
逆に後ろから車でバイクに近すぎないようにしています。
で、一番車に乗っていて危ないなー、マナーどうなんだ?と思うのは余裕のない狭さでのすり抜け。これ、バイクしか乗っていない人にはあまり危険とかの感覚が薄いんですかね?
一番嫌なのが渋滞でのすり抜けで車のミラーやボディーに当たってもそのまま走り去るバイクを何台か見たことあって、世の中悔しい思いしている車のドライバー多いと思います。こんな人はバイク乗りのごく一部なんでしょうがバイクにのらない人からはバイクに乗る人全体と思われていたら本当に悲しいですから。
だから友人には笑われますが自分はバイクですり抜けしたらバイクをやめると家族にも約束しているので渋滞に巻き込まれます(笑)。後ろの車は逆に怖いかな?
by うな2018/9/23 22:54
私は以前マンボさんが記した同様の文面を目にしてから自分のライディングを見直し、前走車に追いついた時は制限速度に対する制動距離以内に入らず威圧感を与えない様にして、後続の車(バイク)が明らかに近づいて来た時は左に寄りながら”どうぞ”と右手で道を譲るサインを出して追い越してもらっています。キムロウ君の言う通り、相手の悪質な人間性をこちらから変える事は出来ませんから意識して我が身から遠ざける事に徹底しています。先日は雨が降って来そうだったので早朝でガラガラのバイパスを急いでいたところ、後続のいかにも走り屋といった車のドライバーに勘違いされ交差点ごとにシグナルグランプリを仕掛けられ、面倒なので予定外の道に進路変更しやり過ごしました。全く迷惑な話でしたが、その一方で先を急ぐ私を周りがどう受け取るかは私にもコントロール出来ないわけで…。とにかくそういった場面では常に自分の頭を冷静に保つ様にしています。う~ん、キムロウ君があの愛車で迫って来たら迫力ありますよねえ(笑)。
by キムロウ2018/9/24 09:59
鋼鉄兄さん、コメントありがとうございます。
威圧感や安全面のことを考えると、僕も路上での優先順位は鋼鉄兄さんと同意見です。
たしかに車を運転しているときは、四輪車のサイズ感ゆえかバイクに急かされてると感じることはありませんね。たまにワインディングでは申し訳ないと感じるときもありますが(笑)
もちろん、その他の道でも僕が認識していないだけで急かされているのかもしれませんし、逆にワインディングでもバイク側からすれば急かしているつもりはないのかもしれません。
お互いに「すみませーん」と会話ができるわけじゃないので、互いの認識の違いというのは難しいものですね。
ただ、相手側に急かしている意思があるにしろないにしろ、道を譲ってもらって悪い気分になる人はそうそういないとは思いますので、迷ったときは譲るのが理想なのだと思います。
やっぱり車側からして恐いのはすり抜けですよね。恐い!ならまだしも、車体にぶち当てられて逃げられたら、ひとたまりもありません。
接触事故と同じように、先の道でぶつけた相手を待っていてほしいですよね。
良い印象よりも悪い印象の方が残るといいますし、それ抜きにしても自分の財産を一方的に傷つけられたら、僕だってバイク乗りが嫌いになると思います。
車が急に車線変更してすり抜け中のライダーが激突することもありますし、鋼鉄兄さんのすり抜け厳禁の心がけは、自分の身を守るうえでも間違っていないと思います。
渋滞に巻き込まれてる脇を、バイクがどんどんすり抜けしていったら”ぐぬぬ”と思うかもしれませんが。少なくとも僕が車に乗っているときは、一緒に渋滞に巻き込まれてるライダーの方が好きです(笑)。
by キムロウ2018/9/24 10:29
うなさん、コメントありがとうございます。
そうなんです。人間なんて良い意味でも悪い意味でも様々なので、いちいち相手の心に訴えかけてたらキリがありません。まずは他人よりも自分の身を守ることが大事なんですよね。
制動距離以近に詰めないというのも、あおり運転防止以外に安全面でメリットがあります。前の車が急ブレーキをかけた際、詰めすぎていた後ろのバイクも転倒しないで止まれることは、ごくわずかでしょう。
前のドライバーが十分注意していても、急に歩行者が飛び出してくるかもしれない…。急ブレーキがかかる確率は、公道である以上どこにでもあります。
雨の日で急いでいたら、シグナルダッシュ勝負を仕掛けられたこと、僕もありますね(笑)。免許取り立ての頃でした。
路面が滑りやすいのに、転倒しない車が張り合ってくるアンフェアな感じ。なんだか嫌でしたね~。
うなさんのように違う道へそれたり、付き合わなければいいだけの話でしょうが…。人間ですから、カッとなるときはありますよね。しかしそんな時でも、張り合うのはせいぜいダッシュだけにして頂きたいです。
法定速度を飛び出さない範囲の出だしで追い抜かしたら、我に返って、その後は流すだけにしてください。やがて追い抜かされるでしょうが、出だしで勝負はついているのですから。気にしなくていいんです。相手はネズミ捕りに捧げてあげましょう。
…もちろん、急加速によるスリップ、信号無視車との激突などもありますから、シグナルダッシュなんてしないに越したことはないんですよ!カッとしないことが一番です!
僕の愛車の場合だと…。たしかに、威圧感がありますね(笑)。前にYZF-R6に乗っている友人とツーリングした際、後続車が異様に距離を取っていることがありました。なんだか申し訳ない気分になりましたね~…。
逆に小型車だとナメられるっていう話もありますよね。大型車に乗ればあおられないぞ!なんて冗談で言っているのかわからないアドバイスも散見しますが、バイクも車も、車種に関してはその人が好きで乗っているものなんですから、みんな一様な目線で見てほしいものですよね。