先日、作業中に背後からとつぜん声がした。驚いて振り返ると新人の若い女性スタッフがニッコリ立っている。「チャンカメさんってマウサーなんですね」「?」マウサー…意味はなんとなく想像できるが聞き慣れない用語に戸惑っていると、「私も絵を描くの好きなんですが、マウスでは描けないので…すごいですね!」ときた。ついうっかり「いや別にそんな大したことじゃ…会社にはマウスしかないから仕方なくマウスで描いているだけで…」と余計なことを言いそうになり、あわてて話題をかえる。「美大とか行ってたの?」「いえ、私はちがうんですが…友人はそっちの方向にいきました!」どうやらその友人というのは漫研時代からの付き合いらしく、今では彼女の師匠的存在となり、日々厳しく指導されてるんだそうで。彼女は「友人はこと絵に関しては鬼のようだ」とボヤいているものの、顔は笑顔で眼も活き活きとしており、若いっていいな〜と微笑ましく思った。はあ〜しかし最近の美大はどんなふうになっているんだろう…きっとさぞかしハイテクなんだろうな。私の時代はまだワープロしか普及していなかったからなぁ…。それでもなんとか今でもこうしてデザイナーとして生き延びていられることに、ひたすら感謝である。