“四十にして惑わず”。かの論語の有名な一節である。読んで字のごとく、40歳になれば、自らの生き方について、もうあれこれ迷わないと解釈するのが一般的である。この言葉をけっこう真剣に受け止めていて、40歳になったころは自分の生き方はこんなものだろうと決めつけようとしていたし、それで納得していた。しかし、40歳を超えて4年が経つけれど、ここに来てけっこうな迷いが生じている。“今さら迷うってのも…”と思いつつ、ふと人生の尺度で見たら、当時の40歳と今の40歳は同じなんだろうか?という疑問が生じた。となるとまず必要なのは寿命がどれくらいだったのかのデータである。2013年の日本人男性の平均寿命は、80.21歳。女性にいたっては86.61歳である。孔子が生きていたのは紀元前552年〜紀元前479年という記録が残っているので、今から約2600年くらい前(このあたり、正確な数字が残っていることをすごいなぁと思うのはボクだけだろうか?)。当時の平均寿命はハッキリとわからないけれど、さまざまな資料を調べてみると、どうやら40歳まで生きることがマレだったように思われる。ということは、人生における40歳の意味は、今とはまったく違うということだ。単純に現在で考えても、40歳は人生の折り返し地点。人生の折り返し地点で、迷いがなくなるんてことはありえないだろう。そんなわけで、迷いが生じることは気にならなくなったけど、はたしてボクに不惑が訪れるのは一体いつなんだろう? そして、自分がどんな結論を出すのだろうか?