フルカウル雑感

なんだかミドルクラスのフルカウルモデルがここにきて妙に騒がしくなった。すでにその発表が秒読み段階のヤマハのR25が話題になっているのはもちろんだけど、国内4メーカーに追いつけ追い越せと躍起になっているオーストリアのKTMがスモールDUKEシリーズのフルカウル版、RC125/390(RC200は来年)をリリース。そしてなんとカワサキは、ニンジャ250をモデルチェンジするにあたり、なんとミドルクラスには異例のスリッパークラッチをそのエンジンにぶっ込んだ。RCも2015年モデルのニンジャも乗ったが、とても一昔前のミドルクラスの衰退ぶりからは、考えられない力の入れようである。

いやはやどうなっているんだ? ミドルクラス。10年ひとむかし、250ccクラスのフルカウルなんて、だれも見向きもしなかったじゃないか。かろうじてカワサキがZZR250をラインナップに残してはいた。だけど、何年間もモデルチェンジしてなかったおかげで、タンスタの取材で1年以上時間を開けて2度ほど借りてみたら、オドメーターは1年前からまったく進んでおらず「この1年間でウチしか借りてないぞこの車両…」とビックリしたもんだ。

それくらい誰も見向きもしなかった市場が、国内でここまで成長するとは、あの当時、誰が想像しただろう。もちろん、活性化の理由には最近元気なアセアン地域の需要につられての国内モデルのラインナップが増えたことも大いにあるだろう。でも、それにしたってこの国内需要の急劇な拡大成長はどうしたんだ? どこにそんな需要があったんだ? と、首を傾げるばかりだ。

火のないところにケムリをたたせ、騒ぎを起こして火をつける。僕ら雑誌屋の仕事はそうでなければいけないはずだが…。最近のフルカウルの隆盛を見ているとそんなことそ考える。なんかおもしろいネタさがさないとねぇ。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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