本誌ではたぶん取り上げない(と思う) ガスガスに乗ってきました。-その2-

前回に続く、GASGAS(以下:ガスガス)第2弾の車両は、TX RANDONNE(ランドネ)。この車両は見た目はトライアルマシンだが、前回紹介したCAMI同様、ナンバーが取得できて普通に公道走行を行なえるトレールマシン。そのため国産マシンほどではないが、競技車とは違い、普段使いしたり、ツーリングにも使える耐久性も考慮されているという。排気量は125ccと200ccがあり、今回試乗したのは125ccのモデルだ。

 

ランドネ125/200もNo.取得が可能で公道走行可能。ツーリングだってできちゃう!?

さて目の前にしてビックリするのはその異様なスタイリングである。トライアルバイクを知っている人ならそれほど違和感を感じないだろうが、CRF250LとかWR250Rといった、いわゆる普通のオフロードバイクしか見たことがないライダーにとっては「なんじゃこりゃ?」というカタチだろう。このバイクの形はトライアルマシン独特の形状で、足を着かずに岩上に登ったり、飛び降りたりする競技に特化したスタイルなのだ。少し時間があるなら、「フジガス トライアル」とか「ガスガス 吉良」とかいったキーワードで検索してみるとどんな競技かがわかるし、バイクでそんなことができるのか!? という驚きの世界を垣間見ることができるだろう。 

このガスガスのランドネ。競技用のトライアルバイクと見た目で大きく違う場所が一ヶ所だけある。それはキチンとしたシート(800mm)があることだ。しかもこのシートは取り外し式で、真剣なトライアル走行を行なう場合に取り外せるようになっている(トライアルはスタンディングでしか行なわないからシートがないのだ)。しかも、このシートよくみると内部が中空になっていて、コンパクトな雨具ならはさみ込めそうなスペースもあってなかなか汎用性は高そうだ。

走り出してみるとその粘り強いエンジン出力に驚かされる。プライベートでトライアルを楽しんでいるヤス子によれば、マジな競技用トライアルバイクにくらべてしまえばちょっと低速トルクがないらしいのだが、それでもほとんどトライアル車試乗経験のない僕にとっては驚きの粘りだった。

しかもハンドルがよく切れるし、スタンディングスティルもラクラク。フルロックでゆっくりと8の字を書いてみれば、おそろしく回転半径が小さくなることにビックリしてしまう。…って、ことで乗ればやってみたくなるのが、丸太や段差などトライアルセクションっぽい場所へのトライである。スタンディングしながらタイミングをはかり、アクセル開けて直径20㎝ほどの丸太越えに挑戦! 思いのほか軽々とフロントが上がることにおどろく。これって125ccだよな? なんて思いながら遊んでいると、アクセルを使わなくとも、体重移動だけである程度フロントが浮くからスゴい。さすが乾燥重量86kgだけのことはある。それに軽いから、少々バランスをくずしたって体重移動でのリカバリーもラクラク。最悪、バンッ!と足をついてしまえばどうにでもなる印象だから、バイクを操るのが楽しい楽しい!

ライバルは、外見もキャラクターもだいぶ違うけど、似たようなジャンルという意味で、KTMのフリーライドシリーズとなるだろう。フリーライドの走破力もスゴいけど、テクニカルなセクションでの走破性はランドネの方が明らかに上である。ただやっぱりスピードは出ない。まぁ、クローズドコースを1時間ほど乗っただけで、公道には出ていないのでなんともいえないが、フリーライドシリーズは、2ストも4ストも100km/hぐらい出せて高速もなんとか(笑)、走ることができるけど、ギヤが5速で、車体も華奢なこいつはちょっとそこまでの高速走行は無理そうな印象だった。たぶんそれは179.2ccの200に乗っても印象は変わらないだろう。

でもこれだけはいえる。街中でこんなマシンを乗っていたら恐ろしく目立つこと間違いなしだということだ。そういや一昔前に発売されていたナンバー付のトライアルバイクを、今でも街中で見かけたりするけど、このランドネを街中での足や遊び道具にしてしまっても楽しそうだ。それこそ階段や縁石などの段差が楽しい遊び場になるに違いない。ちなみにお値段、125が57万2,400円で、200が62万6,400円。問い合わせはMVアグスタジャパン(http://gasgasenduro.net/)まで。

シートはネジ留めで、取り外しも可能。つまりツーリング先でセクションを見付けたら、シートを外して本気でトライ! なんてことができる
さすがトライアル属のマシン。このハンドル切れ角は驚異的だ
エンジンは125と200があり、どちらも4ストロークモデル

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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