皆いつかは歳を取る

このごろ、高齢者ドライバーがニュースで取り上げられることが多い。その中で免許の返上を促す言葉もちょくちょく出てくるが、自分に置き換えて考えてみても、この「免許の返上」という行為はなかなか勇気が要ることだと察する。バイクや車という乗り物は利便性だけでなく、操作操縦や体感の楽しさ、いわば人生の「活力」という要素もあるわけで、それは特に高齢者に必要なものだと思う。それを自ら手放せと言われて簡単に手放せるであろうか? たとえその代わりに、どこまでも行けるシルバーパスを渡されたところで、環境がガラリとかわるのだ。人によっては家にこもりがちになり、行動範囲も縮小し、筋力も低下、精神的にも沈むか大きく穴があき、下手をすれば死活問題にもつながるというのはけして言い過ぎではないように思う。『事故を起こして自分だけならまだしも人の命を奪ってからでは遅いんですよ!』たしかにそうである。だが、それを本気で考えるのなら、高齢者ドライバーが免許を返上する勇気が持てるような、別の「活力」も見つけてあげるべきではないのだろうか? 運転する人にとってはそのくらい大きな存在なのだと思う、バイクや車という乗り物は。

 

そんなわけで、たまに「運転に代わるだけの何かってなにがあるんだろうな〜」と、考えてみたりしている。できれば足腰が弱くなっても楽しめるほうがいいし…。で、やっぱりすぐ頭に浮かぶのが、最近いろんなところで見聞きする「バーチャルゲーム」である。若者や子供をターゲットにしたものが今のところ主流のようだが、数年後にはおそらく高齢者をターゲットにしたものも増えてくるんじゃないかな〜と思う、というか期待したい。「あたしゃパソコンみたいなのはダメよ〜」「操作がむずかしくて…」なんていうおじいちゃんおばあちゃんにもスッと受け入れられて、健康や運動にもつながって長生きできるようなものが普及すれば、どうかな…。シルバーパスならぬゲームパスなんかもらえたりして。病院に併設してゲームコーナーができちゃったりして(笑)。はたして未来はどうなっていくのか。そして自分が年老いたときに…周りの人に迷惑がかからないよう、素直に免許返上できるかな〜。

チャンカメ

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チャンカメ

タンスタ創刊号の〆切間際に入社した古株女子だが貫禄はまるでナシ。かわいい=へんなものについつい手が伸び、デスク周りは癒やし(?)小物だらけ、少々アク抜きの必要な40代。イラスト担当。愛車は現在Z250。乗るたびに ”最近のバイクはすごいな〜” と可愛さ倍増中☆

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