つい先ごろ新年を迎えたと思っていたら、あっという間にもう3月。今発売中のタンスタのロケで行った千葉県では、もう菜の花が咲いていちご狩りが始まっていたし、河津桜も各地で見ごろを迎え、昨日は3月3日のひな祭り。日々寒暖を繰り返して、少しずつ暖かい日が増えてきています。とくに今日の東京はとっても暖かくて、冬物のコートやジャケットがすごく場違いに感じたほど。空気感も匂いも、もう冬のそれとは明らかに違うもの。私はこの、冬から春に向けてすべてのモノが冬眠から目覚め、息を吹き返すような時期が大好きです。
日本において、春は“始まり”の季節。私の場合は転勤がある職場ではないので、春だからといって日常に変化があるわけではないけれど、それでもこの季節がやってくるだけでなんだか心がワクワクします。それは多分、日本の四季とリンクした世の中の流れが体に染みついているから(たとえば10月に新学期が始まる国では、きっとそのころがスタートシーズンなんだろうな)。梅が咲いて桜が満開になり、そして新緑の季節へ。世界中で新たな命が生まれ成長していく力のようなものを、肌と心で感じられる気がします。そう、春は“希望”の季節でもあるんですよね。
でも実は、震えるような寒さの冬も好きだったりします。気が狂うような真夏の暑さも、秋のさびしさも好き。季節を感じると、「あぁ、生きてるんだ、私」って思えるから。何かドジしたり、ちょっとイヤなことがあったとしても、ふとしたときにそう思えたら、大丈夫な気がするんですよね。「生きてれば、なんとかなる。できるよきっと」って(笑)。世界中の命に助けられる、と言うとちょっと大げさですが。ちっぽけなことで悩んでいた自分を客観的にみられるようになるし、物事をもっと大枠でとらえられるようになる。“生きてるだけで丸もうけ”ってどこかの芸人さんが娘さんに名前を付けてましたが、ホント、そんな風におおらかに受け止められる気がします。
季節を肌で感じられるというのは、バイクに乗る魅力のひとつ。寒さに負けて休みがちだったけど、もう少し暖かくなったら、またバイクで命を感じに行きたいな~。