恐ろしい世の中だ

現在11月15日、朝7時。タンスタの締め切りまっ最中なのだが、なぜか僕は京都駅のマクドナルドでこの原稿を書いている。姉妹誌・レディスバイクのツーリングロケのために、昨日、東京駅発の夜行バスで出立し、今しがた関西入りしたのだが、…もちろん、タンスタの原稿は終わっていない(笑)。というワケでシコシコと、マックや移動の車内のなかでパソコンを広げているワケだが、いやはや、出張先でまで原稿を書く時代がくるとはねぇ。

 

一昔前、タンスタ編集部員にとって長期の取材や出張は、ある意味“休暇”だった。というのも、編集部ではいくら不眠不休の編集作業をしていたとし ても、旅に出てしまえばなすすべなし。まぁ、電話もネットもつながらない場所も多かったからねぇ。「一応のポーズでパソコンは持ってきているし、やることは山積みだがなんとなく旅先での仕事って効率が悪いし、酒飲んで寝てしまうかっ!」なんて割り切りができたし、出張前に死にものぐるいで仕事を終わらすのが慣習だった。だが、最近はファーストフード、ネットカフェと通信環境の整備が徐々に進み、仕事から逃げられない…じゃなかった、いつでもでこでも仕事できる環境が整いつつある。かくいう僕もワイファイなるものを手に入れ、いつでもどこでも電波さえ届けば社会や会社とつながれる環境を整えたワケだが、その便利さと引き替えに駅のトイレでも公園のベンチでも、つねに12インチの画面を眺めながら両手を動かすハメにおちいっている。いやはや幸せなのか、不幸せなのか。まぁ、死にものぐるいで終わらせていた原稿に、こうやって旅先で手を入れられるんだから幸せなんだろうな…。

さて、そろそろライターさんとの待ち合わせ時間。ひとまず、パソコンを閉じることにしよう。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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