先日、取材中に林道で転倒して左手親指の一番手首側の骨を骨折してしまった。木曜日の昼すぎに四国は徳島の林道で転倒し、その夜に医者に見せて骨折と診断されたのだが、やたぐわぁの応急処置がよかったようで、レントゲンではまるで折れていないかのように骨は一直線に並んでいたので安心した。
しかし金、土、日と取材でクルマやスクーターを運転し、明けた月曜日に都内の病院で見てもらうと、今度は一直線だったハズの骨がお互い違う方向を向いているではないか。ありゃと思う間もなく先生が
「ここの骨は安定しないから金具で固定しないとダメだね。今日このあと手術したいんだけど大丈夫?」と一気にまくしたてるので、何も聞き返すことなく「大丈夫です」と答えてしまった。
というのも以前人差し指の第一関節付近を骨折したことがあって、そのときは器具で固定していればくっ付くからと言われたので、そのとおりにしていたのだが、途中でずれて関節が十分に曲がらなくなってしまったのだ。それで次に骨折して金具で固定した方がいいと言われたら、即座にOKを出そうと思っていたのだ。
で、何が驚いたかというと、一切切開することなくボルトが埋め込まれたことである。
局部麻酔による手術だったので、一部の視界はさえぎられていたけれど、音や隠された部分以外は見えるのだ。どうやら動画を見られるレントゲンみたいな装置があって、それを見ながら骨をつなぎ合わせて金具でとめたようなのだ。
アッという間に手術は終わってレントゲンを見せてもらったら、2本の釘でキレイに折れた部分が固定されていた。その時点で包帯をグルグル巻きされていたので、実際にどのような状態になっているかは、残念ながら見ることができなかった。
昨日、術後初めての検診で、ついに患部を見ることができたのだが、見事に1.2㎜程度のスポークみたいのが、2本ニョキッと手から生えているだけで、いっさい切った跡もない。新たにレントゲンを撮って見せてもらったけど、骨は2本のその釘みたいなので依然としてしっかりと固定されている。よくもまあ、あさっての方向に向いた折れた部分を切開することなく向かい合わせて、しっかり固定できたものだとビックリである。
術中に「うーん、なんか違うな」なんて声が聞こえて、“おい、おい、大丈夫かよ”とビビらされたけど、外科の先生のワザに、単純に感動してしまった。いや、ほんとは骨折しないのが一番だけど、いい経験させてもらったなと、へんに感心してしまった出来事であった。
あっ、まだ現在進行形か…