ついに8月が終わってしまった。ちょうど今日の昼休みに会社近くでランドセルをしょった小学生を見かけたのだが、どことなく足取りが重く、どうやら休み明けに気が重いのは大人も子供も一緒のようである。
夏休みの思い出といったら、ボクは何といっても「ノーポイ工作」である。ただ、とにかく「ノーポイ工作」って言葉が記憶に残っているだけで、実はあまり細かな内容を覚えてない。しかもネットの情報がほとんどなく、これが全国的なものか、それともボクの出身地だけのものか、はたまた今もやっていることなのかどうか、いまいち定かではない。
ひとまず記憶の限りで説明すると「ノーポイ工作」とは言葉のとおり、「NOポイ(捨てる)」ということで、家庭で出るゴミや廃材などを材料に使って工作をすることである。確か作品展みたいなものもあったような記憶があるが、女子はともかく、男子はけっこうみんな真剣にいろんなものを作っていた。材料でメジャーなものは牛乳パックやトイレットペーパーの芯、ペットボトル、空き缶などであるが、中には一斗缶で巨大なロケット(のようなもの)を作り、9月1日にかなり苦労して教室に運んでくるやつがいたりもした。まぁそれぐらいみんな気合いが入っていて、休み明けにみんなの作品を見てびっくりしたり悔しがったりしたような記憶が残っている。
ボクはわりと工作のたぐいは好きなので、そういう作ることに関しては、おもしろがってやれるのだが、やはり宿題となると話は別で、とたんにモチベーションが下がってしまう。結局、最後の最後までやらなかったことの方が多く、ある年などはとうとう31日まで手をつけずに、最後、「親父」という切り札を使って、家にあった木材をかき集め、椅子を作って提出した苦い記憶がある。(ほとんど親父の作品)ただ親父的にはその出来ばえに満足していたらしく、作品が戻ってきたら、普段使いしようと考えていたらしいのだが、2学期もだいぶ過ぎたころに、みんなの作品がすべて焼却処分されていたことを知り、かなり残念な気持ちになったのを覚えている。
今ならインターネットがあるので、何をするにもまず情報収集できる世の中である。まず他の人がどんなものを作っているか、ネットで簡単に調べることが出来るし、作りたいものが決まったら、次はその材料や道具はどうやったら手に入れられるのか、知ることが出来る。そう考えると昔は情報量が少なかったぶん、いろいろと手抜きができたように思うが、今の子供は世間に流れる情報が増えたぶん、何をするにも高いレベルを要求されてしまうので、宿題ひとつとっても、なかなか大変そうである。もしかしたら先生に「もうちょっとネットでよく調べなさい」とか怒られたりするんだろうか。そう思うと今大人でよかったとちょっぴり思ってしまう今日このごろなのだが、大人になっても「もうちょっとよく調べろよ」とか言われてしまうことが多々あるので、結局大変なところは同じなのかもね(汗)。