本当に今年はよく降る梅雨だ。この数週間、雨が降らなかった日はなかったんじゃなかろうか?ってな長雨が続いている。ここまでシトシト降り続く梅雨も近年珍しいんじゃなかろうか?
いうまでもないけど、僕らバイク雑誌作りにおいてこの雨というやつは非常に厄介なシロモノだ。晴れ前提の乗り物であるバイクで雨の中を走ったところでまず楽しいことはない。当然、写真もどんより、のっぺりのつまらない絵になるし、そもそもカメラは水を嫌う精密機器である。もう、百害あって一利なしというのがバイク雑誌編集者にとっての雨というわけだ。
そんなわけで、この時期のバイク雑誌編集者…というかアウトドア寄りの雑誌はすべてだろうけど、…自分の担当するロケをどうにか晴天の下、それが無理ならせめて雨の落ちていない曇天で…と考えるものだ。天気予報を見ながらロケの段取りを考えあぐねるワケだけど、ここ数年、そんな梅雨空のロケも状況が変わってきた。
数年前から雨雲の状況をほぼリアルタイムで見ることができる雨雲レーダーアプリを使い始めたのだけど、これが意外なほど役に立つのである。もちろん「降水確率90%、日本列島どこにいても確実に雨」なんて日には見ても結果は変わらないけど、「雨天の予想ではあるけど今現在は降ってない」なんて状況の場合はこのアプリの出番である。しかも、最近は使い慣れてきたのか、アプリの制度が上がったのか(たぶん後者だろうけど)、雨雲の動きを見ながら「撮影の勝負は午前の1時間ですね。そのあとにまとまった雨雲が西から来てるんで、降ったら昼飯がてら雨宿りして、やんだころを見計らって撮影を再開しましょう」なんて判断ができるぐらいである。走りながら移動する、ツーリング取材においても、少しでも雨雲が薄そうな方へ進路変更したら雨具を取り出さずに済んだなんてことは一度や二度ではない。
いやぁ、なんだかスゴイ時代になったもんだ。おかげで最新号の『風まかせ』では、この梅雨空のもと、連日雨具は手放せなかったがなんとか撮影中には降られずに済んでしまった。そのうち、雨雲から逃げるルートの検索ができたり、雨に降られにくいルートをリアルタイムで教えてくれるライダー用のナビアプリとか出てこないかなぁ、…いや、もう実はあったりして?