もういくつ寝ると…、お正月ではない。ホンダのニューモデル・CRF1000L アフリカツインの試乗会なのだ。2月16日である本日からすでにプレス向けの試乗会が始まっており、フェイスブックなどで、知り合いのライターさんや編集者がアップする情報がチラホラ見え隠れ。…ですが、現在締め切りまっただ中の我々タンデムスタイルが確保した試乗日程は、なんとか締め切り作業が終わっているであろう18日。つまり明後日なんのだ。うーん、楽しみ!
さてさてこのCRF1000L アフリカツイン。最近盛り上がってきているアドベンチャーツアラーとかビッグオフといったモデルたちの最後発モデル。僕的に気になるのは、トラクションコントロールの介入具合とオフロード専用に開発されたDCTモードがどうなっているのかってことだ。トラクションコントロールに関しては、最近いろいろなメーカーが採用しているけど、乗り比べてみるとその差は千差万別。今現在で一番進んでいるのはKTMのアドベンチャーシリーズとドゥカティのムルティストラーダシリーズというのが、僕個人としての試乗評価だけど、このあたりの電子制御合戦にホンダがどうクサビを打ち込むのかが楽しみで仕方ない。
DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)は、文字どおり2つのクラッチを使って自動変速する機構で、ギヤチェンジはするのにクラッチ操作はない。まぁ、オートマチックの一種だね。もともとホンダには、このDCTをクロスオーバーコンセプトのVFR1200XにDCTを搭載したV4エンジンに積んでいる。だけど、さすがにこのV4エンジンを積んだ車体は重かったし、DCTの変速挙動もロードモデルのVFRの改良版という感じで、オフロード走行特有の「ガッ!」という加速感が欲しい場面でなんとなくマイルドだったり、ライダーの進みたい意志と自動変速のタイミングがかぶったりすると若干のタイムラグができたりしてちょっと残念だった。ホンダさんとしてはVFR1200Xは“オフロードもやってやれないことはないですが、これはロードモデルですよ!”というポジションで開発しているから当たり前なんだけどね。ワリとダートでのDCTの走行フィーリングがよかったものだから、逆にアラが目についたというワケだ。
しかし、今回のアフリカツインはオンロードもオフロードも走れるデュアルパーパスという位置づけでの発表である。“オフロードもバッチリ走れます!”と言い切るからには、そのあたりもキッチリ煮詰めてきているでしょう!!…まだ乗ってないけど(笑)。それにDCTならではの特性として、変速時に起こるリヤのスクワットが…、え〜用語が難しいですね。ギヤチェンジ時にはアクセルを閉じて、クラッチを握り、ギヤを入れて、再びクラッチをつなげる…ワケですが、そのときにどうしてもエンジンから伝わる駆動力(トラクション)が抜けて、沈んでいたリヤサスペンションが伸びたり、再び縮んだりして、バイクの姿勢が変わるんですね。これがスクワット。これが起こるとライダーはそれを違和感として感じてしまったりするわけですね。
このスクワットの動きがDCTはその特性上非常に少なく、…いや、ないと言ってもいいくらい。これがアフリカツインでどうなっているかが知りたくて知りたくてしょうがないんですよね〜。きっと自動変速をしながらもリヤのトラクションが抜けることなく加速していくので、コーナリング中でも滑るような? ロケットのような? …ともかく未体験の加速をするハズなんだけど、いったいどうなんだろう? 明後日の試乗会の会場は福島県はいわき市の「オフロードコース しどき」。あの急坂をアフリカツインの新型DCTはどんな挙動をしながら登って行くのか? フラットダートのストレートでどんなにスムーズな加速を見せるのか? うーん、楽しみである。
…なんて、次のタンスタの試乗インプレッションで書こうと思っていたことをつらつらとこの場で書いてしまったが、実際違ってたらどうしよう? …まぁ、そのときはそのときで(笑)。さて、問題は現在締め切りの佳境を迎えているタンデムスタイルが、試乗会までに終わるかということだ(笑)。ホンダの広報さんから、じきじきにご指名いただいているから行かないわけには行かないけれど、この暗く長いトンネルはさてさていつまで続くのだろう?