お金を粗末にしてはなりません

ボクの祖母は昔からお金を大切にする人だった。倹約家という意味ではなく、現金の取り扱いをとにかくていねいに行なう人、ということである。子どものボクがお金を裸で手に持ち歩き回ると叱り、破いてしまうと叱り、お札を折って野口英世を笑わせたりしようものなら、いつ張り手が飛んできてもおかしくないほど怒りをあらわにしたものだった(わからない人は“お札 笑う”で検索)。そんな祖母とともに幼少期を過ごしたからか、ボク自身も金を大切にする大人に育ったようだ。
  
先日、銭洗弁財天(ぜにあらいべんざいてん)という神社に行く機会があった。この神社は名前のとおり、境内にある清水で手持ちのお金を洗うと、そのお金が何倍にも増えるご利益があるとのことで有名なパワースポットだ。境内に向かうと多くの参拝客が備え付けのザルを使ってお金を水で洗い流していた。その姿を見てボクは「これ、うちのばあちゃんが見たら怒り出したりしないよな…?」などと場違いなことを考えてしまった。

 

お金を清めているんだから、何もおかしなことはないんだけど何しろあのばあちゃんのことである。「お金を濡らすとは何事だ!」などと言い出しかねない。とはいってもばあちゃんが言いたいのは結局「バチ当たりなことをするな」ということなので神社公認のこの行為自体はきっとお咎めなしだろう。

 

ふと、そんなばあちゃんのことを思い出しながらボクもお金をジャブジャブと洗わせてもらったわけなんだけど、看板を見ると“洗ったお金はタオルやハンカチでしっかりと拭き取ってください”とあった。まぁ当たり前のことなんだけど、情けないことにボクはいい歳をしてハンカチを持つ習慣を持っておらず、ビショビショのお札をそのままサイフに入れるしかなかった…。考えてみるとお札を濡らすことなんかより、こっちの方がよほどバチ当たりだよなぁ。みなさん、手水などの際にも必要ですし、寺社仏閣を参拝する際はハンカチを忘れずに…。

サブロー

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サブロー

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

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