以前、タンスタでメンテナンス企画をやって以来、ボク自身も休みの日に自宅のアパートで愛車のメンテナンスを行なうようになった。
自宅でメンテナンスをしている人ならきっと経験があると思うんだけど、けっこうな確率でお隣さんなんかが話しかけてくれることがある。先日、同じアパートに入居したばかりの男性に声をかけられた。話を聞くと原付スクーターを知人からゆずり受ける予定なのだが、長年放置されていたためにリヤブレーキのレバーがまったく動かないというのだ。
ブレーキワイヤーを交換すればおそらく大丈夫だと思いアドバイスすると『油を差してもダメですかね?』と言う。確かにやってみる価値はある。このとき「この本を読んでみるといいですよ!」と言ってタンスタを手渡すという考え頭をよぎったが、機転の利かないボクが取った行動は、作業手順をただ説明するのみという味気ない助言だけ。男性は納得してくれたみたいだったものの、せっかくワイヤー注油のやり方が載っているタンスタが手元にあったのに、なぜコレを渡せなかったんだ…と後悔した。
それから数日後、アパートの駐輪場にはリヤブレーキが修理されたスクーターが停まっていた。無事に修理できたのだろう。結果的にそれでよかったんだけど、やはりあそこでタンスタをスマートに渡せなかったのは編集者(商売人?)としては失格だったのかな、なんて思っている。
自分たちの作った本はもちろん自信を持って勧められる内容だし、それを読んだ読者さんにメンテナンスに興味を持ってもらうことは大切なこと。それをいの一番にお勧めできないとは…少々はずかしい気持ちにさせられた。
とはいえタンスタをすぐに手渡せなかった一番の理由は、本編でやっていたコスプレのせいなんだよなぁ…。タンスタを読んだアパートの男性がコスプレ記事を読んで『あ、これ○号室のアイツじゃん!』ってなるのが…いやいや、それも含めてタンスタの魅力なのだ。たぶん。まだまだ修業が足りませんね。精進せねば。