私設応援団「ニッポン宇宙開発ガンバレ団」、団長のボクとしてはやっぱり金星探査機「あかつき」の話題に触れないわけにはいかないでしょう。
知らない人のために解説しますと、今年5月に打ち上げられた探査機「あかつき」は無事に金星に到着。先日の7日には金星の周回軌道に入るべく、エンジンの“逆噴射”というのをしたところだったんですね。これをしないと、探査機は金星を通りすぎてしまうわけです。逆噴射自体は作動したようなんですが、その後通信が途絶。探査機は、機体に異常を感知すると自動的に取られる「セーフホールドモード」という状態になってしまい、軌道上に投入できたかどうかは不明。JAXAとしても目下のところ復旧作業中で、詳細が発表できる状態にない…。
という段階だったんです。この記事を書き始めたときは。しかし、昼ごろに調べてみれば、なんと「投入失敗」というニュースがアップされているではないですか…。う〜ん、残念! 今年の6月に地球に帰還した小惑星探査機はやぶさは、「もうダメだ」というレベルのトラブルが何度もあり、その都度、奇跡的に回復したというのが話題になってましたし、今回もそれを期待していたんですが…。
でもね。負け惜しみだと言いたいに人は言わせておけばいいと思いますが、宇宙開発って、ホントに失敗がつきものですからね。たとえば、現在では日本の主力ロケットとなっているH-2Aは、6号機のときに失敗しています。H-2Aの先代モデル、H-2も8号機のときに失敗しています。アメリカやロシア、中国など、日本よりも宇宙開発が進んでいる国々でさえ、数え切れないほどの失敗をしています。そりゃあ、かつてやったことがないことに挑戦をしているのですから、失敗するのも当然。だからこそ大事なのは「次につなげること」だと思います。「失敗したら意味がない。もうやめよう」ということになってしまうと、言葉は悪いですが「せっかく失敗した意味」がなくなってしまうわけですね。民主党のなかには、「さぁ予算削減だ」と考えている議員がいるかもしれませんが、ついこないだ予算の維持が決定したばかりですし。とりあえずその点は大丈夫なのかな。
そして今回の失敗には、“6年後に再チャレンジのチャンスがある”という希望が残されているんです。機体に損傷はなく、今後軌道を修正すれば平成28年(2016年)に2回、再投入の機会が訪れるとか。それまでの間、機体を休眠状態にして備えるそうです。6年後の再挑戦の日まで、漆黒の宇宙で待ち続ける探査機…。そう考えるとちょっとロマンチックだなぁ、なんて思ったりして。
最後に、本田宗一郎さんの名言でも紹介しましょうか。
「私がやった仕事で本当に成功したものは、
全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。
99%は失敗の連続であった。
そして、その実を結んだ1%の成功が現在の私である。
私の現在が成功というのなら、
私の過去はみんな失敗が土台作りをしていることになる。
私の仕事は失敗の連続であった」