今回からボクもWebコラムのローテーションに加わります。独自の観点から社会をバッサバッサ斬る…ことはないと思うけど、他のキャラたちとはまた違う持ち味をここで展開していきたいので乞うご期待!?
さて、いきなりだけどボクの実家は農家だ。なんでも江戸時代くらいから続いていて、自宅もけっこう古くから建っているらしく、自分で言うのもなんだけどかなりの年代モノ。そんなことだから自分では当たり前だと思っていたことが他人に話しても通じなかったり、「えー!」と驚かれることが多かったりする。
これから迎える年末もやっぱり行事なんかが立て込んでいる。その代表的なものが“餅つき”。毎年12月30日には夜明け前から家族総出で準備して、かなりの量の餅をこしらえ、翌31日には親戚中に配るのだ。そんな一大行事だからこれをやらないとお正月を迎えることはできないし、気分的にも盛り上がらないだろう(ボクがたずさわったなかではそんなこと一度もないが)。だから日本昔話なんかで、「餅がつけなくて正月がむかえらんねぇ」、なんてセリフはすごくよくわかるのだ。
餅つきの道具というと代表的なのがウスとキネ。しかし実家では機械化が進んで、“餅つきマシーン”なるモノがもう20年くらい活躍している。50cmくらいのでっかいジョウゴに蒸かしたての餅米を投入する。すぼんでいる下部はスクリューみたいなところにつながっていて、ここで米がこねられて餅になり、横に押し出されて出てくるというシンプルな構造。1回だけではまだ米の粒々が見えるくらい粗いので、出てきた白い塊をもう一度ジョウゴに投入すると完全に餅となった塊ができあがる。
機械が投入されてから力仕事は少なくなったけど、できた餅はもちろんアツアツの状態。引き伸ばしたり、保存しやすいようにカットしたりするのが男衆の仕事。女性陣は別に餅を手で引きちぎり、アンコ、きな粉、カラミなどをからめ、仏壇に供える。餅に限らず、家で摂れた野菜などもまずご先祖さまが最優先なのだ。
兄弟たちが家を出るようになり、家族が集まる機会が少なくなってしまったけど、この年末年始の行事だけは家族全員が集まり、協同で作業を行ない、そして正月を迎える。まだまだそんな原始的なコミュニケーションがコジマ家にはあるんです。