夜風の気持ちいい季節である。最近、換気のついでにベランダから夜の空をながめるのが日課になっている。やけに大きく輝く星があるな〜と思ってながめていた星が火星だと知ったのは、先日「今日は火星が地球に一番近づく日です!」というニュースであったが、その日はあいにく曇り空で見られなかった。いつもこの火星と、その左下の土星と、少し離れた右上の木星を確認して窓を閉める。そろそろ田んぼの水が張られ、カエルの大合唱もはじまる頃である。そしてこの時期、もう一つ楽しみにしているのがホタルである。幼少の頃は近所で飛んでいるホタルを自由に捕まえてカゴに入れて…ということを当たり前にしていたし、大人たちも大らかな気持ちで見守ることが可能であったが、今大半のホタルは多かれ少なかれ人の手がかかっているため「静かに見守る」というスタイルが一般的だろう。管理しているおじさんいわく、ペンライトの光ですらホタルの目がつぶれてしまうのだとか。そのへんのマナーを守って鑑賞するという昔との違いはあるものの、やはりふら〜りふらりと沢を漂う幻想的な光景に、心は癒やされる。こうして夜風にあたると、まさに「夏は夜」であるなと感じる。季節がかわるたびに枕草子が頭の中で繰り返し浮かんでくる。昔の人と気持ちがリンクできる日本って、まだまだいい国だなと思うし、こういうものを大切にしていかなければいけないな、とも思う。だから今年も見にいく。毎年天候などで時期が若干ズレるので、このへんは野生のカン?にたよって「そろそろか?」と思い立ったら出かけてみる。そんなのも楽しみの一つである(笑)