ボクらが学生のころ、終電を逃すと早朝まで開いている飲み屋で粘ったり、深夜営業しているファミレスやカラオケボックスで始発電車まで時間をつぶすのがつねだった。ファミレスで力尽きてテーブルに突っ伏して寝ていると、店員さんに「寝るところではないので…」と注意されたものである。そう、いずれの場所も起きていることが前提で、翌日はたいがい寝不足でつらい思いをしたものだ。
40歳にもなれば、高い計画性のもと終電を逃して路頭に迷うことはないだろうと以前は思っていたけれど、相も変わらず終電との追いかけっこは続いている。仕事がら活動範囲が全国に広がったために、右も左もわからない場所で終電を逃して、路頭に迷うなんてこともある。そんなとき、深夜の駆け込み寺として、ここ数年重宝しているのが24時間営業のインターネットカフェである。何よりも寝られるのがポイントなのだ。
それにしてもここにきてインターネットカフェのサービス充実ぶりには驚かされる。とくに清潔感がグッと高くなった気がする。たまたま活用しているチェーン店のサービスがよくなっているだけかもしれないが、トイレはきれいだし受付なんかもビジネスホテルと変わらないくらいだ。さらにジュースは飲み放題、シャワーも無料だったりする。一時ネットカフェ難民問題が騒がれたが、まさに泊まるための施設として十分なパフォーマンスを備えているのだ。それでいて深夜パック料金が設定されていて、コストパフォーマンスも高い。いやはや、いい時代になったものである。
ただ、せっかく寝られる空間が作れるのに、マンガや映画の誘惑に負けて、寝る時間を削って読んだり観たりして、結局は寝不足というパターンからなかなか抜け出せないのが問題である。